地元ファン“介入”でエ軍に逆転負け 選手嘆き節「間違いなく流れ変えた」
右翼ファウルゾーンの飛球を地元ファンが“強奪”→6失点で逆転負け
エンゼルスの大谷翔平投手は18日(日本時間19日)、敵地アスレチックス戦に「5番・DH」でスタメン出場。2打数1安打2四球、3出塁の活躍で9-7での勝利に貢献した。この試合で影の主役となったのはアスレチックファンの女性だった。
大谷が6回の第3打席で左前打で満塁に広げた直後の打席で、シモンズが放った右邪飛をスタンドから介入し、“強奪”。1アウトを取れなかったア軍はこの回、一気に6失点を許す羽目に。スティーブン・ピスコッティ右翼手は「間違いなく流れを変えた」と嘆き節を口にしている。
2014年以来となるワイルドカードでのプレーオフ出場に加速するアスレチックスだが、難敵は身内にいた。それは一塁側内野席の最前列でアスレチックスのパーカー姿で観戦していた女性ファンだった。
大谷の左前打で迎えた6回一死満塁のピンチ。続くシモンズはファウルフライを放ってしまった。ライトファウルグラウンドのフェンス際に突進したピスコッティだが、スタンドからグラブが伸びた。
パーカー姿の女性ファンがスタンドでキャッチを試みた。そして、ピスコッティより先に落下点にグラブを差し出す。バックハンドで強奪成功に見えたが、最終的にポロリ。ファウルと判定されると、スタンドからは大ブーイングがわき起こった。
ボブ・メルビン監督は球審に歩み寄り、チャレンジを要求。女性ファンの介入がなければ、ピスコッティは飛球をキャッチできたかもしれない。
タッチアップで1失点は免れないところだが、2アウトでピンチを緩和できたはずだった。だが、判定は覆らず。その後にシモンズは2点タイムリーを放ち、1点差に。さらに、ワードが死球で満塁となると、コワートが逆転満塁弾。女性ファンの強奪未遂をきっかけに一挙6失点の大崩れとなった。
MLB公式サイトによると、ピスコッティは観客の妨害行為に落胆した表情を見せ「あれはフェンスに向かう難しいプレーだった。でも、十分に間に合うと感じていた。あのイニングの流れに間違いなく影響してしまった。でも、今となってはどうすることもできない」と悔やんだという。
地元のテレビ局でも大写しになった女性ファンは、プレーに関与したことで退席を命じられてしまった。3点リードを一気に吐き出し、3点を追う格好になったア軍。ア・リーグ東地区2位のヤンキースとワイルドカードのホームアドバンテージ争いを展開する中で、悔やみきれないワンプレーとなった。