ホークス大竹が「野球を始めたきっかけ」ヤフオクDで初勝利「まさか自分が…」
前回はKO登板も、盗み聞きした攝津の助言で気持ちを整理
■ソフトバンク 2-1 日本ハム(24日・ヤフオクドーム)
ソフトバンクの大竹耕太郎投手が24日、日本ハム打線を相手に6回1/3を無失点に抑え、3勝目を挙げた。大竹にとっては本拠地ヤフオクドームでの初勝利となった。
16日の西武戦では2回もたずにKOされた。「大学時代は打たれてふさぎ込んでいましたが、同じようにならないように、いい意味で切り替えて落ち込む時間を短くして、新しい気持ちで調整に向かえました。気持ちの部分を整理してマウンドに上がれたのが大きかったですね」と話す。
気持ちを切り替えられるようになったきっかけは、夏前の筑後にあった。「攝津(正)さんが打たれた投手に助言しているのを盗み聞きしたんです。『(気持ちを)切り替えるタイミングを自分で決めろ』という話がとても印象的で、ふさぎ込むのは宿舎に戻るまでと決めました」という。
この日は、初回から3回まで毎回先頭打者の出塁を許した。それでも初回と2回は併殺打、3回は得点圏に進まれながらも後続を斬った。「ゲッツーを取れる自信もありました。今日一番良かったのは、(降板直前の)7回の中田(翔)さんをショートゴロですね。あそこで打ち取って代わるのと、打たれて代わるのでは大きく違いますから」と振り返る。
投げ合った日本ハムの上沢直之は、14奪三振で8回まで投げ切った。「ホークス戦でたくさん勝っているので、そういう時こそゼロで抑えて戻ってくることが必要。できるだけ守備の時間を短くしたかった」と、相手が好投手だからこそ味方の攻撃にリズムを生むように心がけたという。
2点を先制してもらった6回表には3者連続三振という見事なピッチングを見せた。「余計に気合を入れたのか」という問いかけに対して、記者のスコアブックで確認した上で「いや、点をもらったことを覚えてないくらい集中していました」と笑った。
「初めてヤフオクドームでプロ野球を見た時も、ホークスが勝って花火があってヒーローインタビューがありました。それが野球を始めたきっかけでもあります。まさか自分がそこでヒーローインタビューを受けるなんて……」。自らの原点ともいえる場所で、大竹はチームにとっても自分にとっても大きな白星をつかんでみせた。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)