地元胴上げお預けの広島 緒方監督は雨天も声援送るファンに謝罪「申し訳ない」
先発ジョンソンがリードを守り切れず、マジック1のまま
■DeNA 7-5 広島(24日・マツダスタジアム)
広島は24日、マツダスタジアムで行われたDeNA戦に5-7で敗れた。先発のジョンソンがリードを守れず6回4失点で降板。打線は丸の37号2ランなどで反撃したが、リリーフ陣が追加点を許して再逆転はならなかった。2位のヤクルトが勝ったため、マジックは1のまま変わらず。球団史上初のリーグ3連覇は25日以降に持ち越しとなった。
広島の敗戦が決定した時、30分遅れで試合開始したヤクルトはまだ試合中だった。優勝決定を阻みたい2位チームが終盤に得点を重ね、胴上げの可能性が少なくなっていく中、マツダスタジアムを訪れたファンはほとんど帰ることなくスタンドに残り、スコアボードに映し出されたナゴヤドームの状況を注視した。試合中から降り続けた細かい雨が徐々に強くなっていく中、ヤクルトの勝利が決まった瞬間、球場はため息に包まれた。
挨拶のためにグラウンドに出た首脳陣と選手がファンに一礼。その後、会見場に現れた緒方監督は「試合内容を振り返るの?」と疲労を隠せない様子だったが、「選手は最後まで諦めずにやってくれた。勝って優勝するという強い気持ちを持ってやっていた」と、劣勢の展開でも反撃を見せた選手をねぎらった。さらに「今日もたくさん来てくれたファンには、雨の中、最後まで残ってくれたのに申し訳ない」と、この日は27年ぶりの地元胴上げを届けられず、謝罪した。
肩を落としながらも「明日、勝って決めたいね」と話した指揮官は、「最後まで、みんな頑張ってくれているから」とつぶやくような言葉を残し、ロッカールームに引き上げた。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)