西武に立ちはだかる「マジック4」の壁　8年前の悪夢を乗り越えられるか

残り6試合で3.5ゲーム差をひっくり返される歴史的V逸

　パ・リーグ首位・西武は9月25日の楽天戦に勝利し、優勝へのマジックナンバーを「5」とした。いよいよ10年ぶりの優勝に向けて秒読み段階に入ったが、西武のファンの中には、かつての苦い経験を忘れることができない人もいることだろう。

　今から8年前、2010年の9月18日。西武はマジックを4とし、リーグ優勝まであと一歩に迫っていた。2年ぶりの優勝のはずが球史に残る悲劇に変わったのは、敵地で迎えた2位・ソフトバンクとの3連戦がきっかけだった。

　延長11回にもつれ込んだ初戦をサヨナラ負けしたことで、ソフトバンクを勢いづける形となると、続く第2戦でも大量11失点を許してまさかの連敗。3試合目も、3点を先制しながら1点差で惜敗。ソフトバンクの残り試合はわずか6、ゲーム差は3.5という、圧倒的に有利な状況で迎えたカードを、誰も予想しなかった全敗で終えてしまったのだ。

　そして9月26日、西武が日本ハムに敗れたことで、仙台でレギュラーシーズン最終戦を戦っていたソフトバンクのリーグ優勝が決定。歴史的なV逸を味わった西武はクライマックスシリーズファーストステージでもロッテに敗れ、リベンジする機会すら得られないまま失意のシーズンを終えた。