西武・菊池、鷹戦19戦目初勝利でV王手 「勝たない限り認めてもらえない」
7回を3者凡退に封じ、ガッツポーズ&雄叫び
■西武 5-3 ソフトバンク(28日・メットライフ)
西武の菊池雄星投手がソフトバンク戦通算19試合目の登板で初勝利をマークし、10年ぶりの優勝に王手をかけた。28日、本拠地メットライフドームで行われたソフトバンク戦。ここまで18試合に投げて0勝13敗だった天敵に対し、7回8安打3失点で、ついに勝利投手に。チームは12連勝を飾り、優勝へのマジックを1とした。
試合後、獅子のエースは安堵の表情を浮かべていた。「悔しい思いをずっとしていた。ソフトバンクに勝たない限りは、エースと呼ばれながら、ファンの皆さんも、チームメートも含め、僕自身も認めてもらえないという思いが強かった。早く勝ち星が欲しいと数年前から意識してやっていたけど、ことごとく負けてしまった。この1番大事な3連戦で回ってきたので絶対に勝ちたいと思っていました」。プロ9年目。19度目の挑戦で、ようやく勝った。
初回、山川の3ランでいきなり3点の援護をもらった。3回に、アンラッキーな適時内野安打などで3点を失って同点とされたが、勝ち越し点だけは許さなかった。「同点ならチャンスはある。逆転されないことを考えた」。許した安打は8本。毎回のように走者を許したが、味方の好守にも助けられて、粘り抜いた。勝ち越した直後の7回を3者凡退に封じると、大きくガッツポーズ。雄叫びをあげ、獅子のように吠えた。
「中村さんがホームランを打った時に鳥肌がたった。球数的にもこの回で終わると思っていたので、絶対に抑えるという気持ちでした」。エースの気迫に押されるように、8回をマーティン、9回をヒースが締めて逃げ切り。菊池の1勝で、ついに10年ぶりの頂点に王手をかけた。
29日の本拠地メットライフドームでのソフトバンク戦で、チームは一気に優勝を狙う。「僕が出来ることは、明日はないので、来週にも登板があるので、それに備えながら、今井をいい形で送り出せるようにしたい。今井はハートが強いと思うので大丈夫だと思います」。エースの9年越しの鷹戦初勝利で、勢いと雰囲気は最高潮。西武が10年ぶりの優勝を、20年ぶりの本拠地で決める。