10年ぶりV王手の西武・辻監督、1958年再現へ「どうせなら明日舞いたい」
菊池が9年目19戦目で鷹戦初勝利「雄星にとって大きく変わる1日」
■西武 5-3 ソフトバンク(28日・メットライフ)
西武が10年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。28日、本拠地メットライフドームでのソフトバンク戦。初回に山川の3ランで先制すると、同点の6回に中村が決勝の2ラン。先発の菊池が7回3失点で、通算19試合目のソフトバンク戦登板でついに初勝利をマークし、優勝へのマジックは1となった。試合後、辻発彦監督は「とにかく勝てたのがね。やっと、マジックが1になりました」と表情を緩めた。
初回1死一、二塁のチャンスで、山川が千賀から2戦連発の46号3ランを放って、幸先よく先制した。だが、3回にソフトバンクの反撃にあった。先頭の甲斐に左前安打を許すと、続く上林のバントで処理を焦った一塁・山川が悪送球。無死二、三塁にピンチが拡大した。
「山川の本塁打で3点取って、しっかりと山川がそういう場面を作って追いつかれて(笑い)、でも雄星がよく粘りましたね」と指揮官。川島の二ゴロの間に1点を許すと、柳田の二ゴロは、折れたバットが浅村に向かって飛んで処理が遅れて適時内野安打に。不運な形で2点目を奪われると、デスパイネ、中村晃の連打で同点。それでも、続く松田を三ゴロに封じて、同点でとどめた。
左腕が粘りの投球を続けると、6回に値千金の一打が。山川が粘って四球を選ぶと、中村が千賀の抜けたフォークをバックスクリーン左へと運んだ。これが勝ち越しの28号2ラン。「打った瞬間にいったと思った。頼もしい」と指揮官も手放しで称える決勝弾となった。
菊池もプロ入り後19試合目で初めてソフトバンクから白星を挙げた。試合後、ついに天敵を倒した左腕を辻監督は「今日という日は雄星にとって大きく変わる1日になると思っていたので。千賀くんもここ(メットライフドーム)で勝っていなかったから、どっちが勝つか楽しみにしていた」とした。
驚異の12連勝、2位ソフトバンクとの直接対決で5連勝を飾り、優勝へのマジックは1となった。29日のソフトバンク戦で、10年ぶりの優勝をかけて戦う。「ここまで来たら、明日舞いたいですけど、(勝ったら)13連勝でしょ? 1958年という話を聞きました。ちょうど僕が生まれた年なんで、また何かあるかなと期待しています」。指揮官が生まれた1958年、前身の西鉄はリーグ優勝を13連勝で決めている。60年前の再現なるか。一気の13連勝で、辻監督が宙を舞う。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)