大谷“争奪戦”は「楽しかった」、エ軍監督が振り返る 二刀流は「並外れた才能」
ソーシア監督が振り返る昨オフの争奪戦「彼をリクルートするプロセスは楽しかった」
それでも、メジャーリーグで投打ともにトップレベルのプレーを見せるというのは、誰にでもできることではない。大谷がやってきたことがいかにスペシャルか、ソーシア監督は強調している。
「ショウヘイがしていることは簡単ではない。誰にでもできることではない。彼がしたことは並外れているんだ。並外れた才能を持っている。高いレベルで投球も打撃もできる選手が現れたら、もちろん機会を得るだろう。ショウヘイは特別な才能を持っていて、ただ機会があったからというわけではない。打つよりも投げる方が得意な選手もいるし、投げるより打つ方が得意な選手もいる。とてもとても高いレベルで両方こなさなければならない」
すべては、昨オフにエンゼルスが大谷を獲得したことから始まった。名門ヤンキースが“書類選考”で脱落するなど、波乱の中でスタートした争奪戦で、大谷のハートを掴んだ。当初“伏兵”と見られていたエンゼルスは、魅力的なプレー環境、条件があることを提示し、実際に日本ハムと同じような起用法で大谷をメジャーでも二刀流として起用した。もし、大谷が他の球団に移籍していたら、今季のようなプレーは見られなかったかもしれない。ソーシア監督は、この争奪戦の過程も「楽しかった」と振り返る。
「彼をリクルートするプロセスは楽しかったよ。ショウヘイが我々と契約するかどうか、我々の球団を理解してもらうために彼と話し合ったことは、とても楽しかった。ただこのプロセスだけでも楽しかったことを覚えている。今年では、スプリングトレーニングにおける彼の打席での修正力、シーズン序盤での投球も素晴らしかった」
2010年に松井秀喜氏が加入したときも、多くの日本メディアを相手にしたソーシア監督。今季は日本語のマスターに意欲を見せ、言葉も多く覚えた。
「今年は日本語を聞いていて、いくつか単語を覚えたよ。6か月で流暢になれるほど頭は良くないけどね」
去就はまだ明らかになっていないが、経験豊富なベテラン指揮官にとっても、印象的なシーズンとなったようだ。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)