3か月前には戦力外も…アスレチックスWCゲーム先発つかんだ右腕ヘンドリックス

アスレチックスのリアム・ヘンドリックス【写真:Getty Images】
アスレチックスのリアム・ヘンドリックス【写真:Getty Images】

豪州出身の29歳「正直、チームにいられるだけで幸せ」

 アスレチックスは3日(日本時間4日)、敵地でヤンキースとのワイルドカード(WC)ゲームに臨む。負けたら終わりという一発勝負では、今季たびたび採用した1投手1イニングの“中継ぎ継投策”を取る予定だが、ボブ・メルビン監督は先発として29歳右腕のリアム・ヘンドリックス投手に初回を任せると発表した。

 先発ながら1イニングもしくは2イニングで降板する予定のヘンドリックスは、2日(同3日)に行われた前日会見で自身の役割を「先頭投手(opener)」と表現し、「自分は初回を投げる救援投手」と説明。一発勝負の大舞台では初回の出来が試合全体の流れを左右する可能性も大きいが、「他の試合と一緒。プレーしている選手にとっては、ストライクゾーンも打席も変わらない。ただやるべきことをやって、その結果を待つだけ」と気負う様子は全くない。

 オーストラリア出身。18歳でツインズと契約し、母国を離れた。2011年にツインズで先発投手としてメジャーデビューを果たすも、3度の戦力外と3度のトレードなどを経て、2015年オフにアスレチックスに移籍。主に救援投手としてプレーするも、今季は開幕直後の4月に右股関節を故障し、約2か月を故障者リストで過ごした。そして戦列復帰から約3週間後の6月25日に4度目の戦力外通告を受け、傘下3Aに降格。再びメジャー昇格を果たしたのは、ロースター枠が25人から最大40人まで広がる9月1日だった。

 メジャー昇格からわずか1か月でつかんだ栄えある先発の座。29歳右腕は「今年はあらゆることに関して苦しみのシーズンだった。だが、それは自分が変わらなければならないことだったし、今年乗り越えられたこともある。自分がよりよい人間になるきっかけとなった」と怒濤の1年を振り返り、「正直、チームにいられるだけで幸せ」と笑顔を浮かべた。

 10月になってもメジャーで野球ができる喜びを噛みしめるヘンドリックスは、どんな投球でヤンキースの強打線に挑むのか。一発勝負の決戦は、米東部時間の3日午後8時8分(同4日午前9時8分)に始まる。

(Full-Count編集部)

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