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「監督は親友」―春日部共栄が15年ぶり秋制覇、栄冠を呼んだ名将の“英断”

秋季埼玉県高校野球大会は8日、県営大宮球場で決勝が行われ、春日部共栄が東農大三を4-1で下し、15年ぶり6度目の優勝を果たした。初優勝した30年前の決勝も東農大三との顔合わせだった。

2打点の平岡「監督は選手思いの素晴らしい人であり、一番の親友です」

 『強い共栄を取り戻そう――』

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 これが新チーム結成時に指揮官が掲げたスローガン。酸いも甘いもかみ分けたベテラン監督が、どうしたら常勝チームに回帰できるか悩み、指導法を変化させる結論に達した。

 今夏の北埼玉大会は初戦の2回戦で伏兵の昌平に負け、春も1回戦で春日部東に足をすくわれた。特に夏の初戦敗退が決断させた一番の要因となったそうだ。

「最近は選手の気質がどんどん変わってきた。自分の指導は現代っ子に合ったものなのかを考え、選手との会話を多くすることを心掛け、個性をつぶさないことにも気を配りました」

 本多監督の教え子は1350人を数えるが、こんな接し方をしたのは初めてだ。エピソードの一つ。「平岡ね、あいつは面白い子ですよ。実に馴れ馴れしい。話し掛けてくる時に私の体を触る。きょうも(決勝打を放った)4回の打席でアドバイスを求めてくる。昔では考えられない。この野郎って思うけど、これでいいと思えるようになりました」と笑う。かつての鬼軍曹の顔はない。英断が15年ぶりの栄冠を呼び込んだ。

 2打点の平岡は確かに特異なパーソナリティーの持ち主だ。「監督さんですか? 選手思いの素晴らしい人であり、一番の親友です」と言い、「自分は沈む暇もないほど常に明るく、打席では絶対打ってやる、ピンチも必ず抑えられる、っていつも前向きです」と真顔で言う。

 こういう選手にチームメートも乗せられ、春日部共栄は見事に春と夏の屈辱を晴らし、復活を遂げた。

 ただのお調子者ではない。「関東大会は悔しい思いをした先輩の分まで勝たないといけない。優勝して明治神宮大会にも出場したい」と最後まで強気で快活な二塁手だった。

(河野正 / Tadashi Kawano)

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