PO史上最年少満塁弾のアクーニャ 偉人マントル抜くも「誰だか分からない」

満塁アーチを放ったブレーブスのロナルド・アクーニャJr.【写真:Getty Images】
満塁アーチを放ったブレーブスのロナルド・アクーニャJr.【写真:Getty Images】

1点先制直後の2回2死満塁でビューラーから完璧アーチ

■ブレーブス 6-5 ドジャース(日本時間8日・アトランタ)

 7日(日本時間8日)に本拠地で行われたドジャースとの地区シリーズ第3戦で、ブレーブスのロナルド・アクーニャJr.外野手が豪快な満塁アーチをかけ、チームを勝利に導いた。敵地で2戦連続完封負けしたチームは、この日負ければ敗退という崖っぷち。だが、20歳293日というプレーオフ史上最年少グランドスラムで、チームの望みをつないだ。

 ドジャース先発ビューラーが2死満塁から投手ニューカムに押し出し四球。今シリーズのチーム初得点が、思わぬ形で舞い込んだ直後だった。打席に立ったアクーニャJr.はカウント3-1からの5球目速球をフルスイング。打球は大きな弧を描きながら左中間スタンドに飛び込む満塁アーチとなった。

 20歳293日でのグランドスラムは、1953年のワールドシリーズ第5戦で殿堂選手ミッキー・マントルが打ち立てた21歳349日という記録を抜いて、プレーオフ史上最年少記録となった。試合後、会見場に現れたアクーニャJr.は「ミッキー・マントルという名前を聞いたことがありますか?」と質問されると、首をひねって苦笑いしながら「誰だか分からない。だって、僕はまだ生まれてもないし」と返答。会見場に集まった報道陣も笑いに包まれた。

 メジャー1年目の今季は、故障者リストも経験したが、外野手として111試合に出場し、打率.293、26本塁打、64打点、16盗塁の活躍で、ナ・リーグ新人王候補となっている。ベネズエラの野球一家出身で、ロイヤルズ遊撃手のアルシデス・エスコバー、DeNA左腕のエドウィン・エスコバーは従兄だ。

 この日、6回に決勝ソロ弾を放った主砲フリーマンは、若き打者の勝負強さに「世界中の誰もが自信を持って見守った。シーズン中もずっと結果を残し、プレーオフでも続けている」と絶賛。「驚かされ続けているよ」と脱帽するしかなかった。

 大舞台で放った価値ある満塁アーチ。「今までの野球人生でNO1。だって、春からプレーオフで戦うためにプレーしてきたんだから」と笑顔を見せた20歳は、これから数多くの名場面を生み出す存在になりそうだ。

(Full-Count編集部)

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