広島菊池を変えた大学時代 最強二塁手の誕生に大きな影響を与えた4年間
独占インタビューで激白「大学の4年は応用ばっかりやってきました」
球団史上初となるセ・リーグ3連覇の偉業を果たした広島カープ。菊池涼介内野手は二塁手として両リーグトップの守備率.995を記録し、華麗な守備で栄冠に貢献した。17日からは、マツダスタジアムで行われる巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに挑む。
5年連続でゴールデングラブ賞を受賞した名手はメジャーリーガー顔負けの華麗な守備でスタジアムを沸かせている。圧倒的な守備範囲とトリッキーで高度な技術は一体どうやって培ったのだろうか。菊池はFull-Countの単独インタビューで、最強二塁手誕生に大きな影響を与えた大学4年間について語ってくれた。
――菊池選手の守備については、日本の野球ファンなら誰もが知るところです。WBCでは海外メディアでも「忍者守備」と称賛されました。学生時代からの練習の賜物だったのでしょうか?
「高校時代(武蔵工業大学第二高校)はひたすら基礎練習でした。しこたまノックを受けましたし、ランニングスローなんてやったことはありませんでした。その後、進学した大学(中京学院大)がすごく自由で。大学時代にノックを受けた回数は滅茶滅茶少ないです。その代わり、自分でどうすれば効率よくアウトを取れるのか。高校の3年間が基礎だとすると、大学の4年は応用ばっかりやってきました。ランニングスローとか、グラブトスとか……。格好付けていただけかもしれませんが、この4年間でやってきたことが今、生きているのかもしれませんね」
――高校時代の3年間に徹底した基礎がベースとなった(大学の)4年間の応用の日々なんですね。菊池選手は中京学院大の自由な雰囲気と守備の応用編へのレベルアップを求めて、進学を決めたのでしょうか?
「実はそうではないんですよ(笑)。最初は行きたい学校もあって親に相談したんですけども、お金がかかるって言われたんで。(学資を)払えないということで断念した時に、中京学院大が選択肢に出てきました。ここの監督が決まったから相談したらどうだ、と言われて。そこで電話してみたんですよ。まあ、練習参加に行った時は驚きました。『何だこれは』というぐらい、草野球のような印象でした。『オレはこんなところでやるのか』と実は心の中で思ったんですけど(笑)。いざ入ってみたら楽しく野球をすること、みんなでバッティング練習に行ったりするのが、今までない新鮮さで。すごく楽しかったですね。
違う野球をやれると言うか、失敗したらすごく怒られるとか、高校時代の部活ではそういう部分を過ごしてきた反動もあったからかもしれません。だからみんなで負けた後も、『じゃあ次、次!』っていう感じで切り替えられるところを見て、こういう野球もあるんだっていういい意味で衝撃を受けました。自由の中に厳しさもありました。大学の野球部の出会いが自分のキャリアにとっては大きかったですね」