運命のドラフト目前、12球団の過去5年の“ドラ1力”は?【パ・リーグ編】

2013年のドラフト1位・ソフトバンク加治屋は今季ブレーク

 西武とオリックスがパ・リーグでは最もドラフト1位選手が1軍の戦力になっていると言えるだろうか。今季、10年ぶりにパ・リーグ制覇を成し遂げた西武は2013年の森が「打てる捕手」として成長を遂げている。昨季までは指名打者での出場が多かったが、今季は捕手としてもチームトップの81試合に出場した。多和田は最多勝に輝き、今井もローテを担えるだけの素質があることを感じさせた。2017年の齊藤大も課題の制球を改善できれば、面白い存在だ。

 オリックスは近年のドラフト1位がきっちりと1軍でプレーしている。特に2015年の吉田正は今季初の全試合出場を果たして打率.321、26本塁打と球界でも指折りの打者に成長した。2013年の吉田一も中継ぎとしてまずまずの成績を残した。山岡はリーグワーストタイの12敗を喫したものの、ローテを担い、その素質には非凡さを感じさせる。田嶋は故障で離脱したものの、前半はローテの柱として活躍。来季以降にも期待だ。

 この2球団に続くのがロッテか。2013年の石川は昨季大不振に陥ったものの、今季は復調。2桁勝利には届かなかったものの、9勝をマークした。2014年の中村も今季はチームの中心選手に成長。打率.284、リーグ2位の39盗塁をマークした。平沢も準主力に。2017年の安田は2軍でしっかりと育成のために出場機会をもらい、1軍でもプロ初本塁打を放っており、来季以降、楽しみな存在だ。

 育成に定評のある日本ハムは、まずまずの“ドラ1力”といったところか。今季は渡邉が二塁手として出場機会を増やし、上原や堀も1軍で登板機会を得て、来季以降に繋がるシーズンとなったはず。有原はいまひとつの成績で奮起して欲しい。そして、清宮。1年目は7本塁打だったが、やはり大器の片鱗は至る所で感じさせており、今後に大いに期待である。

 楽天は、今季は不振に苦しんだが松井裕はチームに不可欠な存在。藤平もローテ投手として育ってきている。その一方で安楽、オコエが伸び悩んでいる印象だ。2017年の近藤は9試合に投げて0勝2敗と、即戦力とはいかなかった。

 最も近年のドラフト1位で結果に繋がっていないのは、ソフトバンクか。今季はようやく2013年の加治屋が戦力に。セットアッパーとして72試合に投げて31ホールドをマークした。ただ2014年の松本裕、2015年の高橋純、2016年の田中は前評判とは対照的に、台頭してきていない。とはいえ、松本裕と高橋純、そして2017年の吉住は高卒で将来性重視の指名。社会人出身の加治屋の台頭が5年目になったように、来季以降、戦力になってくれれば“良し”といえるか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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