DeNA大河の逆転2点適時打で日本5連勝! 犠打失敗も「気持ちでいくしかない」
1点を追う3回無死一、二塁から2度のバント失敗も2点タイムリー
コロンビアで行われている野球の23歳以下の世界一を決める「第2回WBSC Uー23ワールドカップ」は開催5日目の23日(日本時間24日)、オープニングラウンド第5戦が行われ、DeNAの大河内野手が逆転の2点タイムリーを放つなど地元コロンビアを7-2で下し、無傷の5連勝を飾った。
前日に続き、打順を組み替えた稲葉篤紀監督の期待に応えたのは、この日、6番から2番に上がった大河だ。0ー1で迎えた3回、無死一、二塁のチャンスで左中間を深々と破る逆転2点適時三塁打。日本は5試合目で始めてリードを許す展開となっていたが、2度バントを失敗し、追い込まれていた大河のひと振りで試合をひっくり返した。
「気持ちでいくしかないと思って、相手に攻める気持ちで向かっていった。(進塁打を狙って)反対方向に打つか、自分のスイングをするか迷ったが、(進塁打の)サインが出なかったので、思い切って自分のスイングをしようと思った。これまで6番、8番と打ってきて、今日は2番になって最初の打席は気合が入りすぎて空回り(右飛)してしまったが、2打席目で結果が出てよかった。ベンチも盛り上がって最高だった」
そんな強心臓は高校時代に培われた。関西出身。だが、大河は地元には残らず、中学時代の恩師、鍛治舎巧監督(現県岐阜商監督)率いる熊本の秀岳館に進学した。ベンチ入りメンバーは関西を中心に県外出身者がほとんどだったため、県内で試合をすれば、スタンドから心無いヤジが飛んでくることも珍しくなかったが、そんなアウェーの環境の中、甲子園にも2度出場。
ロングティーを10分間に100本打ち、飛距離をポイント制にして合計点を競うことで長打力を伸ばす鍛治舎監督発案の「ポイント制ロングティー」を連日行ってきたことが、174センチ、75キロとプロの世界では決して大きくない大河のパンチ力の原点だ。
これで日本は無傷の5連勝でオープニングラウンドを終了。指揮官は「第1目標である5連勝というのが果たせたのは選手の力。どんどんチームがひとつになって、結束力が増しているのが分かるし、たくましくなっている。切り替えもしっかりできて、選手がよく頑張ったと思う。ストライクゾーンの対応もそうだし、だんだんこっちにも慣れてきた感じもする」と振り返った。
25日(同26日)からのスーパーラウンドでは韓国、ベネズエラ、ドミニカ共和国と強豪との対戦が続く。大会連覇を狙う稲葉監督は「いい投手、いい打者が多いので、接戦になってくると思う。皆で頑張りたい」と話し、チーム一丸となって残り3試合を戦い、28日(同29日)の決勝への切符をつかみにいく。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)