歴代最高の日本シリーズ男は誰? MVP&敢闘賞から見る大舞台に強い男の系譜

長嶋がMVP4度受賞も、王は縁なし

 ミスター・ジャイアンツこと、長嶋茂雄が4回受賞。しかも、すべてMVPだった。1963年を皮切りに、65年、69年、70年と受賞している。

 巨人は1965年から空前の日本シリーズ9連覇を果たしたが、このうち長嶋がMVP3回、続いて堀内恒夫が2回、柴田勲、森昌彦、高田繁、末次民夫が各1回受賞。意外なことに、王貞治は日本シリーズMVPにも敢闘賞にも縁がなかった。

 続いて稲尾和久がMVP1回、敢闘賞2回の計3回を記録。MVPを取った1958年、西鉄は巨人に3連敗のあと4連勝したが、稲尾は4勝全てを挙げた上に、第5戦では決勝のソロホームランも打っている。

 足立光宏は敢闘賞3回。巨人V9中に2回、ヤクルト初優勝の1978年に1回。1978年の足立はすでに38歳で、公式戦は4勝に終わったが、日本シリーズでは2試合で1完封。全く対戦したことがなかったサブマリンの名投手にヤクルト打線は苦しめられた。

 ソフトバンクの工藤監督も西武時代に2回シリーズMVPを獲得している。

 現役ではロッテ時代の今江敏晃(現・年晶/楽天)が、シリーズ男と言える。ロッテは2005年と2010年に日本シリーズに出場し、ともに日本一になったが、その2回とも今江がMVPに輝いている。

 ソフトバンクと広島の現役選手で日本シリーズMVP、敢闘賞の受賞経験があるのは、内川聖一(2014年MVP)とエルドレッド(2016年敢闘賞)、サファテ(2017年MVP)の3人だけだ。

 今年は誰が「日本シリーズ男」になるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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