【日本S】圧巻6連続盗塁阻止で育成初MVP “名付け親”が記す「甲斐キャノン」の由来

人気漫画「機動戦士ガンダム」の「カイ・シデン」から…

 もともと、ソフトバンクの球団関係者や報道陣、ファンの間で甲斐の強肩ぶりは有名だった。出場機会を掴み始めた2017年シーズン序盤には、一時は盗塁阻止率7割超という驚異的な数字を叩き出していた。その時には、まだ“キャノン砲”という表現を使っていたが、メディアの中でも“甲斐バズーカ”や、ただ単純に“強肩”とされていた。

 ただ、何かスッキリしない。もっと“キャッチー”な愛称はないだろうか、と考えた。その時に、ふと頭に浮かんだのが、人気漫画「機動戦士ガンダム」。巷で言われるように、あまりに安直なのだが、その中で登場するキャラクター「カイ・シデン」から着想を得た。

 カイ・シデンが主に乗っていたモビルスーツが「ガンキャノン」。ここから「甲斐拓也のキャノン砲=甲斐キャノン」とした。その後は何度もこの“甲斐キャノン”を用いた。全くもって広まっていかなかったものの、今季4月からは、ヤフオクドームでスタジアム演出も行われるようになった。ホークスファンには浸透していたとはいえ、日本シリーズでの甲斐の圧巻の活躍がなければ、これほどまで認知されることはなかっただろう。

 甲斐は11月に日米野球を戦う野球日本代表「侍ジャパン」のメンバーにも選ばれている。甲斐の魅力はこの“甲斐キャノン”だけにあらず。ショートバウンドを止める技術は一級品であり、リード面も格段に向上している。打撃にも一発長打のパンチ力を秘め、なにより、いつもひたむきだ。侍ジャパンでも、そして来季以降も、そんな甲斐に注目してほしい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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