先発投手の“責任”QSランキング 沢村賞・巨人菅野を抑えて1位に輝いたのは?

西武多和田は勝利数の16よりも少ない14QS

 両リーグのQS数10傑。

◯パ・リーグ
1上沢直之(日) 25先発17QS(QS率68.00%)
1マルティネス(日) 25先発17QS(QS率60.08%)
3岸孝之(楽) 23先発16QS(QS率69.57%)
3菊池雄星(西) 23先発16QS(QS率69.57%)
5涌井秀章(ロ) 22先発15QS(QS率68.18%)
5西勇輝(オ) 25先発15QS(QS率60.00%)
5則本昂大(楽) 26先発15QS(QS率57.69%)
8バンデンハーク(ソ) 23先発14QS(QS率60.87%)
8多和田真三郎(西) 26先発14QS(QS率53.85%)
10ボルシンガー(ロ) 20先発13QS(QS率65.00%)
10石川歩(ロ) 21先発13QS(QS率61.9%)
10千賀滉大(ソ) 22先発13QS(QS率59.09%)
10榎田大樹(西) 22先発13QS(QS率59.09%)
10山岡泰輔(オ) 23先発13QS(QS率56.52%)

 日本ハムの上沢、マルティネスが最多タイの17QS。続いて楽天の岸、西武の菊池。最多勝の多和田は勝利数の16よりも少ない14QSだった。

◯セ・リーグ
1大瀬良大地(広) 27先発21QS(QS率77.78%)
2菅野智之(巨) 27先発19QS(QS率70.37%)
2メッセンジャー(神) 28先発19QS(QS率67.86%)
4ガルシア(中) 26先発17QS(QS率65.38%)
4ブキャナン(ヤ) 28先発17QS(QS率60.71%)
6東克樹(De) 24先発15QS(QS率62.5%)
7ジョンソン(広) 24先発14QS(QS率58.33%)
8吉見一起(中) 20先発13QS(QS率65%)
8山口俊(巨) 21先発13QS(QS率61.9%)
8岩貞祐太(神) 23先発13QS(QS率56.52%)

 QS数1位は沢村賞の巨人菅野ではなく広島の大瀬良だった。2人は最多勝を15勝で分け合ったが、大瀬良は防御率2.62、菅野は2.14。しかし菅野は開幕から2試合続けて4失点以上するなどシーズン当初は投球が不安定だった。シーズン終盤に3試合連続完封を記録するなど調子を上げたが、シーズンを通しての安定感では、大瀬良も負けてはいなかったということだ。

 ちなみに沢村賞の選考委員会は、独自に7回以上投げて3自責点以下というQSの基準を設けたが、この数値では菅野が「17」で1位、大瀬良は「15」で日本ハムの上沢とともに2位だった。

 平成以降の最多QSは、2013年の楽天田中将大の「27」、24勝0敗という歴史的な大記録を残したが、田中は27回先発し、すべてQSだった。

 しかし、これは例外的だ。現代の野球ではエース級の投手でもQSをクリアできない試合が年に数試合はある。そういう試合も含め、先発、救援の力を合わせて勝利につなげるのが指揮官の役割だと言ってよいだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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