背番号「46」のまま奮闘中 鷹・本多コーチが描くコーチ像「ずっと勉強」

工藤監督も期待「選手のことを思うコーチになれる」

 本多コーチ自身も現役時代は1軍、2軍を合わせてさまざまなコーチと出会い、指導を受けてきた。自らが受けてきた指導方法を自分なりに租借しながら、自分なりの教え方を確立させていくことになるだろう。その一方で、現役選手としての感覚が強く残るからこその思いもある。

「教えられる側がどういう意識を持ってやるのかが大事だと思っています。教えられても意識せずにやる選手と、考えながらやってすぐに反応を見せてくれる選手がいます。教える方としては後者の方が嬉しいですし、伸びるも伸びないも選手次第だと思います。やっぱり実際にやるのは選手ですからね。逆にコーチという立場からすれば、教え方によって選手の捉え方も違ってくると思っています。言葉一つで選手をダメにするかもしれないし、自分が思った以上にグンと伸びてくれるかもしれない。そういう意味では本当に難しいですし、これからもずっと勉強ですよ」

 工藤公康監督も「あれだけ右打ちノックを練習するのも試合と同じ質の打球じゃないと選手のためにならないという本多くんの優しさから。常に選手のことを思うコーチになれると思いますよ」と期待を寄せている。

「これから何年やるのかわからないですけど、シーズンに入れば選手に助けられる場面もあるでしょう。自分がいいと思ったことは挑戦すればいいし、それで壁にぶち当たればまた考えればいいと思います」

 挑戦と挫折、そして試行錯誤。本多コーチ自身が選手として成長してきた道のりを後輩の選手たちにも伝えていくつもりだ。新たな背番号「80」のユニフォーム姿は春のキャンプまでお預けとなったが「オフもしっかりとノックの練習をしておきます」と、本格的なコーチ業に向けて抜かりはない。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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