反則、流血、永久追放? そして一生の思い出も…「パ・リーグファン感事件簿」

ファン感謝デーでまさかの“永久追放”

○中田VS杉谷、伝統の一戦

 中田内野手と杉谷内野手の掛け合いは、もはや日本ハムファン感謝デーの風物詩だ。そんな2人は2017年、宮西投手の指名により、頭につけた3つの風船を割るゲームで対決。試合前には杉谷が「中田の頬をバチンとやりたい」と言えば、中田が「バッチバチにいわすんで……」と返すなど、ともに相手を挑発するシーンも見られた。

 ゲーム開始直後、中田が杉谷の胸を突き、杉谷がそれを払いのける「乳首ドリル」が繰り広げられる。そうしてじりじりと距離を詰めていくかと思われたが、中田が素早く杉谷の隙を突いて勝負あり。一方的な形で中田が勝利し、豪華景品を手にした。杉谷は「あのー、一応打ち合わせしてたんですよ、一応……」「うわーやられたわー」と悔しさをあらわにした。

○最多勝投手も球界最高峰スラッガーも形無し

 福岡名物の1つといえば、明太子だ。ソフトバンクの2015年のファン感謝デーでは、このグルメを使い、人気バラエティ番組をオマージュした「格付け」が行われた。柳田外野手と細川捕手、東浜投手が、100グラム2000円の高級明太子と、1パック298円の明太子を目隠しして食べ比べ、AとBで値が高いと思った方の札を上げるルールだ。

 試食後、3選手が上げた札はすべて「B」。しかし、正解はまさかの「A」。3選手全滅で「二流選手」に格下げになってしまった。

○松井が右投げに挑戦?

 お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさんが、楽天の「支配下登録」を目指して2014年のファン感謝デーに登場。プロの投手からホームランを狙う伊達さんの相手としてマウンドに上がったのは、当時ルーキーの松井投手だった。

 しかし、現れた松井の利き腕にはグラブが。ハンデとして右投げに挑戦したのだが、やはり制球に苦しみ、なかなかストライクが入らない。ただ、立花社長から「本気で行け」と指令があった次の球は見事にストライクゾーンへ。最後は自ら交代を申し出てマウンドを降りたものの、改めて優れたセンスを垣間見せた。

○サンドウィッチマンの伊達さん、永久追放へ

 前述の松井投手の右投げ事件から2年後、伊達さんが2016年のファン感謝デーでさらなる珍場面を生み出す。この前年には投手を務めたが、銀次内野手に安打を打たれて敗北。そしてこの年は「盗塁を決めたら支配下登録」の条件で、松井との対決が2年ぶりに実現した。

 まずは牽制球を投じる松井。そして、伊達さんが塁を離れた瞬間に一塁手の中川内野手(現・DeNA)が隠し玉を決め、伊達さんは走ることなくアウトに。さすがにもう一度チャンスが与えられると、捕手の送球が伊達さんの首を直撃。

 それでも一応盗塁成功とはなったが、ムードメーカーでもある阿部俊人氏が「投げ当てのルールを適用してアウト」という裁定を下す。伊達さんはこの判定に対し、ベースを引き抜いて投げる「分かる人には分かる」パフォーマンスで抗議。阿部氏はこれを侮辱行為として永久追放を宣告するという、まさにファン感謝デーならではの、波乱の展開となった。

日本ハムでは、2015年に武田勝氏がミラクル起こす

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