プロの世界は厳しく険しい… 入団後3年以内で戦力外となった選手たち

オリックスから戦力外通告を受けた佐藤世那【写真:荒川祐史】
オリックスから戦力外通告を受けた佐藤世那【写真:荒川祐史】

今季は106人が所属球団から戦力外通告を受けた

 パ・リーグ2位だったソフトバンクがCS、日本シリーズを勝ち上がって2年連続日本一に輝き、幕を閉じた2018年のプロ野球界。「2018日米野球」も終わり、オフシーズンへと突入した。ここからは来季の戦力編成に関する話題が、メディアを賑わすことになる。

 オフといえば、ドラフトや助っ人補強に関心が行くが、来るものがいれば、去るものもいるのがプロ野球の世界。今季は106人が所属球団から戦力外通告を言い渡された。中には、支配下選手契約を解除され、新たに育成選手契約を結び直すものも。13日にタマホームスタジアム筑後で行われたトライアウトには48選手が参加した。

 今季は例年より多くの実績者、功労者が非情通告を受けた。ソフトバンクの摂津正投手や五十嵐亮太投手、寺原隼人投手、城所龍磨外野手、ヤクルトの成瀬善久投手、阪神の西岡剛内野手、DeNAの田中浩康内野手らが球団から来季の契約を結ばない旨を通告され、田中は現役を引退、西岡や成瀬、城所などはトライアウトを受けた。

 こうしたベテランたちとは対照的に、プロ入りからそれほど時が経たないうちに、戦力外となった選手たちも数多くいる。今季12球団で支配下選手19人が入団3年目までに戦力外を言い渡され、そのうち11人は育成として再契約を結んだか、今後、結ぶ見込みとなっている。

 また、育成選手にとっては、この「3年」というのが1つの壁となる。育成ドラフトで指名された選手は、指名後3年間はその球団に保有権があるが、入団後3年が経過すると自動的に自由契約として公示される。育成選手として再契約すると、その後は毎オフ、自由契約公示される。

 ソフトバンクの甲斐や千賀、石川のように育成から球界を代表するような選手となるのは、ほんの一握り。むしろ、この3年以内に可能性を見出されず、3年の節目となった際に戦力外を言い渡されるケースは多い。今季は3年目以内の育成選手で12人が戦力外通告を受けた。中には2年目、まだ19歳という選手もいた。

 今季、戦力外通告を受けた入団3年目以内の選手は以下の通り。

【支配下】

◯西武
與座海人投手(23歳、1年目)育成再契約

◯ソフトバンク
黒瀬健太内野手(21歳、3年目)育成再契約見込み
小澤怜史投手(20歳、3年目)育成再契約見込み
茶谷健太内野手(20歳、3年目)育成再契約見込み

◯日本ハム
高良一輝投手(24歳、2年目)

◯オリックス
佐藤世那投手(21歳、3年目)
本田仁海投手(19歳、1年目)育成再契約

◯楽天
寺岡寛治投手(25歳、1年目)育成再契約
吉持亮汰内野手(25歳、3年目)育成再契約
鶴田圭佑投手(24歳、2年目)育成再契約
野元浩輝投手(20歳、2年目)育成再契約

◯広島
仲尾次オスカル(27歳、3年目)
青木陸内野手(20歳、3年目)

◯ヤクルト
菊沢竜佑投手(30歳、2年目)引退

◯巨人
廖任磊投手(25歳、2年目)
與那原大剛投手(20歳、3年目)育成再契約見込み

◯DeNA
野川拓斗投手(27歳、3年目)

◯阪神
藤谷洸介外野手(22歳、2年目)育成再契約

【育成】

◯ソフトバンク
樋越優一捕手(25歳、3年目)
児玉龍也投手(25歳、3年目)
森山孔介内野手(20歳、2年目)
松本龍憲内野手(19歳、2年目)

〇オリックス
坂本一将内野手(27歳、2年目)引退

◯ロッテ
安江嘉純投手(26歳、2年目)

◯楽天
向谷拓巳内野手(21歳、2年目)
匠内野手(20歳、3年目)

◯巨人
松澤裕介外野手(26歳、2年目)

◯DeNA
網谷圭将捕手(21歳、3年目)
武白志内野手(20歳、3年目)

◯中日
西浜幹紘投手(25歳、3年目)
吉田嵩投手(22歳、3年目)

(Full-Count編集部)

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