中村、井上が覚醒、平沢の台頭 課題もまだ山積み…ロッテの2018年
有吉が先発、唐川は中継ぎで、それぞれ新境地を開拓
しかし、明るい話題も少なくはない。今シーズン途中から外野に挑戦し、自己最多112試合に出場した平沢が台頭。打率は.213ながら出塁率は.328を記録しており、チャンスメーカーとしての資質を十分に示してみせた。バッティングの確実性が高まれば、20歳のホープがさらなる飛躍を果たせる可能性は高いだろう。
また、素質を見込まれながらもこれまで本領を発揮しきれていなかった選手たちが一皮も二皮も剥けた。2014年ドラフト1位の中村はフルイニング出場を果たし、二塁手としてゴールデン・グラブ賞も獲得した。リーグ10位の打率.284、同6位の157安打に加えて、39盗塁でタイトル争いを繰り広げ、機動力野球を象徴する存在としてひとり立ちした。
これまで一軍通算4本塁打となかなか殻を破れなかった井上も覚醒。規定打席に到達し、打率.292、24本塁打、99打点と、打撃主要3部門すべてで好成績を収めた。ロッテの選手で20本塁打以上を放ったのは、2013年の井口監督以来のことで、その存在感のある打撃はチームにとって明るい材料となった。
投手陣では、中継ぎとしては開幕から不振が続いた有吉が先発に転向して新境地を開拓。かつてエース候補と目されながら、ここ数年は結果を残せていなかった唐川もリリーフに回り、復活に向けて新たな一歩を踏み出している。
まさにどん底だった昨季に比べれば少なからず成績を向上させ、投打ともに薄い選手層の改善も図れた印象の千葉ロッテ。来季は本拠地のホームランゾーンも広がるだけに、個々の本塁打数の増加にも期待したいところだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)