長距離砲=三振を覆すオリ吉田正のフルスイング 三振率ランキング【パ編】

オリックスの吉田正はフルスイングの印象も三振率はわずか.124

 楽天・ペゲーロが群を抜いている。この打者は3打席に1回以上の三振を喫している。続いておかわり君こと西武・中村。本塁打王4回は現役最多。三振を恐れず本塁打を量産してきた。中村にとっては、三振は“必要経費”のようなものだ。

 以下、外国人打者が続き、そのあとにオリックス・若月、楽天・嶋と捕手陣がならぶ。下位打線に座ることが多い捕手は、打撃が得意でないことが多い。本塁打王の西武・山川は、138三振で三振王にもなったが、三振率は.213とそれほど高くない。確実性もあったということだ。
三振率上位20傑には3割打者は含まれていない。

では、三振率下位の選手はどうなのか。下位10傑を見てみよう。

54安達了一(オ).125(514打席64三振3本塁打 打率.219)
55吉田正尚(オ).124(598打席74三振26本塁打 打率.321)
56中村晃(ソ).117(580打席68三振14本塁打 打率.292)
57内川聖一(ソ).108(296打席32三振8本塁打 打率.242)
58島内宏明(楽).0993(453打席45三振11本塁打 打率.292)
59鈴木大地(ロ).0986(558打席55三振8本塁打 打率.266)
60福田周平(オ).096(345打席33三振1本塁打 打率.264)
61銀次(楽).085(552打席47三振5本塁打 打率.276)
62荻野貴司(ロ).071(351打席25三振2本塁打 打率.287)
63藤田一也(楽).052(289打席15三振4本塁打 打率.266)

 タイプの違う打者が並んでいる。一番三振率が低い楽天・藤田やロッテ・荻野はMLBで言うところのスモールボーラーだ。さらに楽天・銀次やソフトバンク・内川など、3割の常連だったアベレージヒッターも入っている。これらの打者は確実性が売りだった。

 そんな中で、オリックスの若き主砲・吉田正の名前がある。彼は26本塁打を打ち。打率も.321をマークしながら、三振率は.124。これは確実性も長打力も兼ね備えた優秀な打者であることを示している。

 シーズン最多三振は、1993年、近鉄のブライアントが記録した204だが、この時の三振率は.371(550打席)。ブライアントは1990年に三振率.429(461打席198三振)という破天荒な記録を残している。バットをぶんぶん振り回し、三振を量産する選手は「大型扇風機」と揶揄される。しかし、それもプロ野球の魅力の一つではある。来季もいろいろな“扇風機”を楽しみたいものだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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