プロ1年目から活躍の源田&藤岡 トヨタ自動車時代の恩師が語る2人の資質

トヨタ自動車・桑原大輔監督【写真:篠崎有理枝】
トヨタ自動車・桑原大輔監督【写真:篠崎有理枝】

勝負強さ持つ藤岡は指名漏れの悔しさバネに成長

 一方の藤岡もルーキーイヤーの今年、全試合出場を果たした。亜細亜大ではプロ志望届を提出したが指名漏れを経験。悔しい思いをバネに成長を遂げ、社会人を経てプロ入りを掴んだ。

「入った時はもう切り替えて一生懸命やってくれていましたが、プロに行きたいという思いは人一倍強く持っていると感じました。プロでやりたいということは入る時から聞いていましたし、普段の会話の中でも感じ取ることができました」

 ロッテではショートを任されているが、トヨタではショートに源田がいたため、1年目は外野の守備に就いていた。

「藤岡にはショートを守りたいという思いがあったのですが、チームには源田がいた。どうしたらいいのかなと考えていました。肩が強いので、外野で出た方がいいんじゃないかと思っていたのですが、自分から外野をやると言ってくれました。本人も、試合に出るためにはどこがいいんだろうと考えたと思います」

 2017年の都市対抗開幕戦では、タイブレークで迎えた延長10回、1死満塁の場面でサヨナラ本塁打を放ち、チームを劇的勝利に導いた。

「そういうところで打てるのは、何か持っている。お前やってみろ、と言われてもなかなかできないですから。勝ちたいという思いが強いんだと思います。バントのサインを出しても、不服そうな顔を一切見せない。うまいかと言ったらそうでもないですが、練習もずっとやってくれていました」

 今シーズンは全試合出場を果たしたが、打率は.230に終わり、プロの難しさを体験した。それでも、シーズンを通して戦ったことはいい経験になるとエールを送る。

「環境が変わった中で、さらにショートというポジションで大変だったと思いますが、全試合出場は来年につながる。経験だけで終わらせてはいけないけれど、1年間しっかりやれたことには自信を持って、次は成績も求めてほしいと思います」

 今年のドラフトでは、社会人日本代表の経験もある富山がオリックスから4位指名を受けた。期待の左腕がプロの舞台へ旅立つが「OBのプロでの活躍はチームにもいい刺激になっています。明るい話題をこれからもチームに提供してほしいですね」と桑原監督は笑顔を見せる。源田、藤岡に続くプロの舞台での活躍を、3年間ともに戦った指揮官も楽しみにしている。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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