投手の制球力を示すK/BB 今季圧倒的トップに立った意外な左腕とは【パ編】
規定投球回では楽天・岸が唯一の5点台をたたき出しトップ
規定投球回数以上では楽天・岸が1位。もともと岸は制球力に定評があったが、楽天移籍後は奪三振が増えてK/BBが上昇している。今、最も優秀な先発投手だと言えるだろう。
日本ハム・上沢は昨年、32与四球74奪三振。今季は投球回数が60イニング増えたが、与四球は6、奪三振は77も増加。上沢も岸と同様、奪三振数が急増して投球が安定したと言えるだろう。奪三振王の則本のK/BBは3.67、奪三振は抜群だが、与四球もそれなりに出していた。西武の菊池雄星も同様の傾向だった。
K/BB下位5人も見ておこう
47トンキン(日)1.43(33奪三振23与四球51回)
48中田賢一(ソ)1.39(79奪三振57与四球91回2/3)
49ローチ(オ)1.27(19奪三振15与四球50回1/3)
50藤平尚真(楽)1.26(68奪三振54与四球81回1/3)
51カスティーヨ(西)1.13(51奪三振45与四球74回1/3)
奪三振と与四球にそれほど差がない投手。成績もいまいち。ソフトバンク・中田は昨年、78奪三振と今季と大差がなかったが、与四球は40から57へと増加、防御率も4.57から5.20と悪化した。もともと制球力がある方ではなかったが、課題は明らかだ。
K/BBの上昇は投手の進化を端的に表していると言えるだろう。来季もK/BBの推移に注目したい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)