ハードル高いMLBの3000本安打 イチロー、ベルトレ、プホルスに続くのは?
マーカキスに可能性あり、若い選手ではトラウトとアルトゥーベに期待
4位には現役唯一の3冠王ミゲル・カブレラがつけている。まだ35歳だが、6月に左上腕二頭筋の腱断裂で戦線離脱。今季は40安打にとどまった。放出の話も出ているだけに、大台クリアはやや微妙だ。
5位のロビンソン・カノは、先日、大型トレードでメッツへの移籍が決まり、周囲を驚かせた。2013年オフに10年2億4000万ドル(約271億4400万円)の大型契約をしていたが、残りの契約のうちマリナーズは2000万ドル(約22億6200万円)を負担すると言われている。そのカノも今年はMLB薬物規定に違反して80試合の出場停止処分となり、94安打にとどまった。現在36歳であることを考えると、あと530安打は微妙なところだ。
6位のニック・マーカキスは今季フル出場し、185安打と健在。あるいは、3000本安打達成はマーカキスの方が早いかもしれない。
7位以下の選手を見ても、今後安打を量産しそうな選手は少ない。3000本安打はそれだけ厳しい数字だということだ。
働き盛りでは、大谷の同僚、エンゼルスのマイク・トラウトが27歳で1187安打。大いに期待が持てるが、トラウトは四球が非常に多いのが持ち味になっている。その分、安打数が少なくなるのが懸念材料だ。
その点では、アストロズのホセ・アルトゥーベが期待できそうだ。28歳にして、すでに1419安打。2017年まで4年連続最多安打。通算打率も.316。故障や怪我などがなければ、10年以内にクリアする可能性があるだろう。
3000本安打を達成した32人の打者のうち、25人がMLBの野球殿堂入りしている。残りの7人のうち、デレク・ジーター(3465本)、ベルトレ、アレックス・ロドリゲス(3115本)、イチロー、プホルスの5選手は資格取得前か現役で、殿堂入りしていないのは野球賭博で永久追放となったピート・ローズ(4256安打)、禁止薬物使用疑惑のあったラファエル・パルメイロ(3020安打)の実質2人のみとなっている。「3000本安打クラブ」への入会は、MLB打者にとって最大の目標の1つなのだ。
来季以降の展開に注目したい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)