トレードを契機に活躍した選手たち…大田&公文獲得のハムは“トレード上手”

トレードを契機に飛躍を果たした日本ハム・大田泰示と公文克彦(左から)【写真:荒川祐史】
トレードを契機に飛躍を果たした日本ハム・大田泰示と公文克彦(左から)【写真:荒川祐史】

日本ハムは“トレード上手”大田とともに獲得の公文も活躍

 近年は大物選手がフリーエージェント(FA)で移籍することが多く、FA制度以前ほど大型トレードはなくなったNPB。それでも、中堅選手やバックアップ、ユーティリティープレーヤーの補強として、トレードは今でも有効な手段だ。環境の変化によって目覚ましい活躍を見せる選手もおり、他球団で伸び悩んでいたり、出場機会に恵まれていない選手を獲得し、戦力として有効に使っている球団もある。

 11日に日本ハムの高梨裕稔投手、太田賢吾内野手とヤクルトの秋吉亮投手、谷内亮太内野手の2対2のトレードが発表に。今オフでは広島の福井優也投手と楽天の菊池保則投手のトレード、そして巨人の橋本到外野手の楽天への金銭トレードと、すでに3件のトレードが成立している。2016年からのここ3年間で、FAによる人的補償とウェーバー公示後の獲得を除くと、ここまで21件のトレードが成立している。その中でも、特に移籍した選手が戦力として大きな活躍を見せたトレードを見てみよう。

【2016年】
○巨人 公文克彦投手、大田泰示外野手
↑↓
○日本ハム 吉川光夫投手、石川慎吾外野手

 巨人ではレギュラーを取り切れなかった大田は、日本ハムで外野の一角をがっちり確保。日本ハムの2年間での出場222試合は、巨人での8年間での出場225試合とほぼ同じ。通算315安打のうち巨人で100安打、日本ハムで215安打、本塁打も巨人時代は9本だったが、日本ハムに移ってから29本。遅咲きの大器が、球団を移って花開いた。公文も巨人4年間でわずか15試合登板、0勝0敗、防御率3.06だったが、日本ハムの2年間で98試合登板、5勝0敗、防御率2.67。宮西に次ぐ左のセットアッパーとして活躍している。

 巨人側も吉川光は今年22試合登板で6勝7敗、防御率4.26と菅野、山口俊以外は手薄だったローテーションの一角に入り、石川も出場試合数は日本ハム4年間で103試合だったのが、巨人の2年間では116試合に増やしている。今年は昨年の99試合を大きく下回る17試合出場だったが、イースタン・リーグでは打率.336で首位打者となった。

○ヤクルト 八木亮祐投手
↑↓
○オリックス 近藤一樹投手

 近鉄の生き残りとして長年オリックスでプレーしてきたベテラン近藤。08年には10勝を挙げるなど先発中心で起用されてきたが、2016年7月、シーズン途中でヤクルトに移籍。同年こそ8試合登板にとどまったが、2017年以降は救援陣の柱となり、今シーズンは74試合登板、7勝4敗2セーブ35ホールドと好成績を残し、最優秀中継ぎ投手に輝いた。ヤクルトで先発中心に11勝(22敗)を挙げた八木は移籍後、1軍での勝ち星はなく、2017年オフに戦力外通告を受けて引退した。

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