元阪神助っ人から「お前ならやれる」 異国の地で勝負を決めた右腕の挑戦

将来は指導者に、選手として行けなかった甲子園出場が夢

 異国での生活にも慣れてきた。樽見や地元以外の出身の選手らとともにホテル暮らしの生活。「コロンビアは水道水が飲めないので水を買わななきゃいけないし、トイレに紙を流せない。日本って本当に便利なんだと思った。家の建て方も、日本はしっかりしていて虫が入ってこないけど、こっちは違いますからね。でも、住んでいる人は優しい人が多くて、食事も美味しい。気に入っています。ファンの方も熱狂的だし、ベンチからだけじゃなくスタンドからも名前で応援してくれるんです。気候は日本の夏のように蒸し暑いので、すぐに体が温まるし、体が動く」と声を弾ませる。

「球速的にも日本でプロになるのは現実的に厳しいというのは分かっている」とも話す片山は、引退後は高校で野球部の監督を務め、選手としては行けなかった甲子園にチームを連れて行くことが夢だという。大学卒業後、企業で働いたのも「高校で教師を務めるなら、進路指導もしないといけない。そのためには自分も社会人を経験しておいたほうがいいと思ったから」。そして「海外の野球やトレーニング方法を自分の目で見て知っておきたかった」と、コロンビアでも練習中、チームメートやコーチ陣に積極的に質問をぶつけるなど、指導者としての将来を見据え、グランドでも何かを吸収しようという姿勢を貫いている。

 チームメートにはメジャー経験者やコロンビア代表の選手も多く、片山にとっては最高の環境だ。チームは現在4チーム中、2位。プレーオフ進出も決まった。片山は先発ローテの座を守り、そしてファイナルに進出してコロンビアの頂点に立つことが今の目標だ。「どうせなら優勝してメキシコでの大会に出たい。いろんな国の打者と対戦したいですね」。言葉も文化も環境も違うコロンビアでの挑戦。強い日差しを浴びてグラウンドに立つ片山の瞳は、南国の太陽のように輝いている。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY