米球界選手を引きつける韓国球界の魅力「3Aとメジャーを行き来するより高額」

2017年には31本塁打を放つ活躍を見せたエリック・テームズ【写真:Getty Images】
2017年には31本塁打を放つ活躍を見せたエリック・テームズ【写真:Getty Images】

今季までアストロズでスカウトだったタッサーノ氏を特集

 近年、日本プロ野球(NPB)に負けず劣らず外国人選手獲得に力を入れているのが韓国プロ野球(KBO)だ。かつてはNPB球団の方が高額な年俸を用意できたが、最近ではKBOの方が潤沢な獲得資金を持っていることもある。KBOが球界のレベルアップに尽力しているのは、昨季までSKワイバーンズの指揮を執っていたのが、NPBでは日本ハム、MLBではロイヤルズを率いたトレイ・ヒルマン監督だったことからも分かるだろう。さらに、近年では駐米スカウトを置き、人材確保に乗り出している。

 米メディア「NBCスポーツ・ボストン」公式サイトでは、今オフからKBOサムスン・ライオンズのスカウティング・コーディネーターに就任したアーロン・タッサーノ氏を特集。2013年から今季までアストロズでスカウトとして働いていたが、その前には韓国に住みながらカブスとレイズのために、アジア球界をスカウトしていたという。記事では、タッサーノ氏が考えるKBOの魅力と、KBOで成功する投手のポイントについても言及している。

 KBOがメジャーで大きな注目を浴びたのは、2016年オフのこと。メジャーでは開花しきれなかった打者エリック・テームズが、KBOでは3年間で124本塁打を記録。“神”と崇められるまでに成長した結果、ブルワーズと3年1600万ドル(約17億7700万円)の契約を勝ち取り、2017年は31本塁打と貢献した。

 今季、巨人からメジャー復帰を果たして18勝を挙げたマイルズ・マイコラス(カージナルス)のように、一度アジア球界を経験して米復帰する“逆輸入”の流れが生まれつつある中、「メジャーで不確かなキャリアを送るより、韓国で確実に成績を残す方が、選手にとっていいチャンスになる」と指摘。さらに、来季からサムスンでプレーする元レッドソックス右腕ジャスティン・ヘイリーを例に出し、年俸と契約金と出来高の総額が最大90万ドル(約1億円)に達するため「米国で稼いだよりもずっと高額」を稼げると言及している。3Aとメジャーを行き来するよりも、大きなチャンスに恵まれて大きな金額が手に入るというわけだ。

 さらに、タッサーノ氏はヘイリーと契約した理由の1つは、195センチという高身長にあったことも明かしている。「KBOの打者はそのような高いリリースポイントの投手と対戦した経験がほとんどない」とし、高身長が大きな魅力だったとした。

 もちろん、日本と同様、韓国もアメリカとは文化も言葉も大きく異なる。「アメリカを離れることに前向きで、変化に対応できる選手」が大前提であることも付け加えている。

 今後、NPBやKBOを経た“逆輸入選手”がメジャーの舞台で活躍する機会が増えそうだ。

(Full-Count編集部)

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