「すっきりした」―ハム田中賢介、異例の前倒し引退宣言の裏にあった思い
来季限りでの現役引退を表明「最後の1球まで野球選手として全力で」
日本ハムの田中賢介内野手が25日、札幌市内の球団事務所で契約更改を行った後、来季限りでの現役引退を表明した。日米合わせてプロ通算20年目となる来季、3度目の日本一を花道にしてユニホームを脱ぐつもりだ。
異例の前倒し引退宣言だった。「2019年シーズンを持って引退します。これまでたくさんの方々に支えられ、育てていただきました。本当に感謝しかありません。最後の1年、自分ができることは何でもやろうと思っています。ファイターズが日本一になれるように最後の1球まで野球選手として全力で頑張っていきます」と自ら切り出した。
北海道移転後の常勝軍団を築いた一人だ。レギュラーに定着した06年から不動の二塁手として、5度のリーグ優勝、2度の日本一に貢献した。12年オフには海外FA権を行使してメジャーリーグにも挑戦し、15年に日本ハムに復帰後も16年に全試合出場してチームを日本一に導くなど、大きな存在感を示した。ただ、世代交代の波もあり、17年は107試合出場にとどまり、オフには年俸が2億円から7500万円へ大幅ダウン(金額は推定)。今季は67試合出場で105打数31安打8打点、打率.295の成績だった。
米国から帰国する14年オフ、そして大幅減俸を提示された昨年オフにも引退の2文字が頭をよぎったという。特に17年には「自分ができると思っていることと実際できていることのギャップが少しずつ大きくなってきた」と感じていた。「もしかしたら2018年シーズンが最後になるかもしれないという思いで1年間やってきました」と明かした。