今オフのエンゼルスは方針転換? “お手軽価格”の選手中心の補強戦略へ
ケーヒル、ハービー、ボーアら“お手頃価格”の選手を獲得
エンゼルスが、失敗続きだったオフの補強戦略を修正しつつあるようだ。米スポーツ専門局「CBSスポーツ」公式サイトが報じている。
エンゼルスは昨オフまでフリーエージェント(FA)で大物選手を獲得してきたが、ことごとく満足な活躍ができず。今オフはチーム編成、そして財政面で負担のかからない“お手頃”な選手の獲得が目立つ。獲得した主な選手は、アスレチックスからFAのトレバー・ケーヒル投手、レッズからFAのマット・ハービー投手、そしてフィリーズからFAのジャスティン・ボーア内野手といった顔ぶれだ。
ケーヒルは単年契約の年俸900万ドル(約10億円)にプラスし、最大で150万ドル(約1億6000万円)の出来高が付き、総額1050万ドル(約11億6000万円)。ハービーは約1年1100万ドル(約12億3800万円)で300万ドル(約3億3800万円)の出来高がつくため、最大1400万ドル(約15億7600万円)。ボーアの契約は年俸250万ドル(約2億7500万円)に打席数により50万ドル(約5600万円)の出来高がつくという格安のFA選手。ケーヒルとハービーに関しても、実績から見ると妥当な額と言える。
記事では、チームの顔であるマイク・トラウトが2020年に契約切れということに触れ、エンゼルスがトラウトの“相棒”となるべき大物選手の獲得にことごとく失敗してきたと指摘。ジョシュ・ハミルトン、バーノン・ウェルズらと大型契約を結びながら低調なパフォーマンスに終始した事実を踏まえ、「(球団は)頑張れば頑張るほど、驚くくらい失敗しているように見える。トラウトの周りの脇役たちは、良く言ってもパッとしない、悪く言うと全くひどかった」と一刀両断。オーナーのアート・モレノ氏が大物を好んで獲得してきた経緯もあり、記事でも「その時のGMがどれほど優秀であったとしても、モレノ主導による、モレノが管理するチームがお金を賢く使うと信頼することは難しくなってきている」と、チーム編成に疑問を呈している。
しかし、エンゼルスは今季、野手ではボーアを獲得したぐらいで、マニー・マチャド、ブライス・ハーパーといった野手の大物FA選手獲得に関してはまったく興味を示していない。故障続出の投手陣にも問題があり、大谷翔平は打者としてトラウトの相棒役をしっかり務めているものの、今オフ受けたトミー・ジョン手術の影響で来季は投手としては登板できない。
先発陣の強化も大きな課題ではあるが、記事では「エンゼルスがマット・ハービーとトレバー・ケーヒルと1年契約をしたことに全く失望していない。この2人は、今オフのFA市場トップであるが完璧からは程遠い左腕パトリック・コービンとダラス・カイケルに十分匹敵する成績を残す可能性がある」として、“お手頃価格”で獲得した2人が高いコストパフォーマンスを発揮する可能性を指摘した。