鷹・武田は「微減」8500万円 2回7失点の北九州が分岐点「あの試合がなければ…」
500万円減で契約を更改、来季は「先発でやりたい」
ソフトバンクの武田翔太投手が28日、ヤフオクドームの球団事務所で契約更改交渉を行い、500万円減の年俸8500万円プラス出来高払いで契約を更改した。(金額は推定)
今季の武田は27試合に登板。シーズン前半は先発として結果を出せずに苦しんだが、後半は中継ぎに回り実力を発揮。ポストシーズンでも中継ぎで8試合に登板して2勝を挙げるなどチームの日本一に貢献し、交渉後は「(年俸は)微減です。成績も良くなかったし、迷惑をかけたので。CSと日本シリーズのピッチングは評価していただきました」と語った。
「今年1年に関しては勉強の1年だったと思います。今年がなければ来年、再来年と新しい自分になれないと思っていますので、苦しいことを受け止めて日本一になれるように頑張りたいなと思います」と話し、最も印象に残った試合に7月18日の北九州での西武戦を挙げた武田。2回7失点と滅多打ちにされ、翌日登録を抹消された一戦で「あの試合がなければCSにも日本シリーズにもいなかったと思います。自分を変えてくれた試合ですね。全部を捨ててゼロから新しい自分を追い求めることができました。自分を強くしてくれた分岐点です」と振り返った。
シーズン終盤は新たな投球フォームの習得に取り組み、秋季キャンプでも平均台や手作りの台を利用してフォーム固めに余念がなかった。「日本シリーズの最後あたりからイメージするボール、イメージするコントロールができてきました。やっと自分の形を見つけたという感じです」と十分な手応えを感じている。
来季は「先発でやりたい。今年初めて中継ぎをやって大変さもわかったので、先発として中継ぎの皆さんにいい形で回していければと思います」とし「まずはローテをつかみ、ケガなく1年間投げ切ってチームが日本一になれるように。具体的な目標の数字はないですが、1試合1試合目の前の試合でチームが勝てるようにしたいです」と語った。
会見の途中には「野球やってて楽しいなと思えているし、現にいい形になってきています。この感覚はプロに入って初めてのこと」との言葉も聞かれるなど、気持ち的にも完全に前向きだ。来季こそ、エースナンバーにふさわしい投球を見せてくれそうな予感が漂う会見となった。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)