球場再生を目指して――八千代市が取り組む地域に根差した野球プロジェクトとは

野球教室や指導者講習など盛りだくさんのプログラム

 小雨が降りしきる中で始まったイベント。午前中は投手と野手に分かれての野球教室が行われた。「All Nations Baseball」のメンバーでサンフランシスコ・ジャイアンツでブルペン捕手を務める植松泰良氏は、捕球後から送球体勢に入るための足の踏み出し方を丁寧に指導した。また、同イベントには地域チームの指導者も参加。同時間に行われた指導者講習に参加し、今後のチーム指導における大きなヒントを得ていた。

 午後からは小中学生と講師による対戦が行われた。小学生の部は、星野氏との1打席対決。参加者はプロ経験者が投げる球のスピードに戸惑いを見せつつもフルスイングで応じ、会場は大盛り上がりとなった。続いて行われた中学生の部では、ティーボールでの飛距離対決が行われた。ここからは八千代松陰高校出身で、2018年ドラフトで楽天から育成1位指名を受けた清宮虎多朗投手も参加。左打席に立った清宮は、投手ながらもライト方向へ大きな当たりを連発して周囲を驚かせていた。最後はMVPに選ばれた中学生と星野氏による1打席対決でイベントは締めくくられた。プロ経験者から直接指導を受ける機会はなかなかない。参加した小中学生は雨が降る悪条件でも、目を輝かせてグラウンドに立っていた。

 イベントではスタンドにいる参加者も楽しめる場が用意されており、講師として登場した選手が実際に着用したユニホームの展示をはじめ、野球グッズ販売、手羽先や豚汁など飲食店ブースも充実。八千代市に根差した企業や団体も一体となってイベントを盛り上げていた。

 八千代市をはじめとする全国各地で行われるオフのイベントは、これからも継続していく必要があるだろう。まずは野球を身近に感じる環境づくりこそが、競技普及のへ第一歩と言えそうだ。

(豊川遼 / Ryo Toyokawa)

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