楽天ドラ5佐藤、菊池雄星に来オフの自主トレ参加“志願”「何が何でも成長したい」

受け身にならず貪欲に学ぶ「そこは苦労しないと思います」

「元々、“山形”の子で、(前に)出て行けなかった子」と振り返る庄司監督は、佐藤が菊池へ自主トレを申し込んだことに驚きながらも、教え子の成長を感じ取った。野球フォーラムで菊池が話した内容は、山形中央高の後輩たちにパワーポイントを使ってしっかりと伝えた。「3分の予定が1時間になりました」と庄司監督。わずか1日でまとめ、菊池からの学びをアウトプットした。

 プロの“予習”を済ませてきた。「1軍で投げている選手から入寮前にいろいろな話を聞けたりしたので良かったです」と佐藤。年始には山形中央高の先輩の阪神・横山雄哉投手、日本ハム・石川直也投手、阪神入りした斎藤友貴哉投手(Honda)らと母校で練習をした。昨季、52試合に登板し、チームトップの19セーブを挙げた石川からは「自分で掴みに行くかどうか。同じチームの選手でも全員がライバルで、1日1日がギャンブルのような生活だ」と言われたという。中学2年だった2014年の山形大会決勝で石川の快投を見て山形中央高を志望した佐藤は、憧れの先輩からの“金言”に「自分も1日1日、悔いなく過ごしていきたいと思います」と決意を固めて仙台入りした。

 受け身にならず、積極的な姿勢や貪欲に学ぶ姿勢は、プロで生きる上で必要な要素だ。「そこは苦労しないと思います。明るくて前向きなところがウリの子」と3年間、指導してきた庄司監督は太鼓判を押す。積極的な姿勢は帰り際にも。「サイン、書いてきていいですか?」と寒空の中で待っていたファンの元へ走った佐藤。1年後、成長した姿で菊池と自主トレができるよう、日々をしっかりと積み重ねていく。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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