「野球不毛の地」ラオスに新たな選択を 国際野球大会に日本も参戦中

ラオス国際野球大会の試合の様子【写真:豊川遼】
ラオス国際野球大会の試合の様子【写真:豊川遼】

野球普及のため韓国球界関係者の支援で18日から「韓国・ラオス国際野球大会」が開催

 「野球不毛の地」であったラオスで18日から韓国球界関係者の支援によって「韓国-ラオス国際野球大会」が開催されている。

 ラオスは東南アジアに位置し、野球が本格的に始まったのが2014年から。韓国プロ野球のサムソンライオンズで捕手として活躍し、後にSKワイバーンズの監督も務めた李萬洙(イ・マンス)氏が中心となって野球普及活動を行っている。2015年からは毎年1月に「韓国-ラオス国際野球大会」が開催されており、両国のほかに周辺国のチームを集めて交流を行っている。5回目を迎えた今回は5か国から10チームが参加。韓国やラオスをはじめ、タイとベトナム、そして日本も参戦している。

 日本チームはラオスで働いている人たちや大会参加のために日本から来た人たちで構成され、同じチームながら初対面の選手同士が試合中に挨拶するという場面も。しかし、それだけでは人手不足のため、運営スタッフを務めている韓国人も加えて“日韓合同チーム”となっていた。

 試合会場となったチャオ・アヌウォン国立競技場は野球場ではなく、ラオスのサッカーチーム「ヴィエンチャン・ユナイテッド」の本拠地。コーナーエリアにホームベース、その後方には大きなバッティングケージが用意されていた。マウンドがないためとび箱のとび台のような簡易的なものを設置し、マウンドの傾斜を再現させていた。試合は1試合1時間半という時間制で1日5試合。現地には軟式野球の文化はないようで各選手は硬球と金属バットと使用し、本塁打が飛び出す試合もあった。

 18日に行われた開会式は韓国語で行われていた。なぜなら参加していたタイとベトナムは現地在住の韓国人がチームを編成。野球の指導も韓国語で行われており、全員が韓国語を理解しているからだ。今大会は20日まで。運営は韓国球界関係者が中心に行っているものの、参加している日本人選手も言葉の壁を越え「野球」を通じて交流を行っている。こうした様子をみせることでラオスに住んでいる人に新しいスポーツの選択肢を提供する貴重な機会となることだろう。

(豊川遼 / Ryo Toyokawa)

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