「僕の球がショボく見える」鷹・千賀も絶賛、ロッテ20歳右腕に“大化け“の気配

自主トレを公開したロッテ・種市篤暉【写真:福谷佑介】
自主トレを公開したロッテ・種市篤暉【写真:福谷佑介】

ロッテ3年目の種市篤暉、先輩の石川歩を通じて千賀へ“弟子入り”

 1月19日、福岡・久留米市で行われた自主トレ。数々の選手が師事するトレーナー鴻江寿治氏が主宰する「コウノエスポーツアカデミー」のトレーニングキャンプである。ここを自主トレのメディア公開日としたのが、ソフトバンクの千賀滉大投手だった。その千賀が「コイツ、凄いでしょ? 後に投げると僕の球がショボく見えるから、嫌なんですよね」と絶賛した投手がいる。視線の先で腕を振り、唸るようなボールを投げ込んでいたのが、ロッテの種市篤暉投手だった。

 八戸工大一高から2016年のドラフト6位でロッテに入団した右腕。昨季1軍デビューを果たし、7試合に登板したものの、4敗を喫し、まだ1軍未勝利の20歳である。自己最速は153キロ。ロッテファンであれば、知っているであろうが、全国的にはまだまだ無名の存在。その右腕に千賀が惚れ込んでいた。

「自分としては千賀さんに頼んで良かったなと思っています。フォームに関しても、最初は合わないかと思いましたけど、慣れてきていい感じに投げられています」

 15日から始まった「コウノエスポーツアカデミー」のトレーニングキャンプ。千賀や種市のほか、西武の榎田大樹投手やオリックスの松葉貴大投手、ソフトバンクの東浜巨投手や松本裕樹投手、川原弘之投手も参加する。

 人間は骨盤の形によって「うで体」「あし体」の2タイプによって分類されるという鴻江氏の理論に沿って、体に合ったフォームを作り上げることに主眼を置いたこのキャンプに種市は初めて参加した。これまでの考えを覆される教えに、当初は「合わないかと思った」と戸惑いも感じたよう。ただ、19日までの5日間で種市もフォームやボールに確かな変化を感じ取ったようだ。

 もともと、千賀や鴻江氏と繋がりがあったわけではない。ただ、千賀と同じ真っ直ぐとフォークを武器とし「千賀さんのようになりたいと思っていた」という種市。ロッテの先輩である石川歩投手を通じて、千賀への“弟子入り”を志願し、このトレーニングキャンプへ参加することになった。鴻江氏の理論に沿えば、種市は千賀と同じタイプ。「千賀さんに近づけるようにしました」。球界を代表する右腕のフォームを参考にしたことで、どことなく千賀に似たフォームになった。

 千賀の言葉通り、力強いフォームから唸るような真っ直ぐを投げ込んでいた。そのボールの威力は横から見ていた報道陣にも、十分に伝わってくるものだった。「先発ローテを取れるように頑張りたいと思います」と意気込んだロッテの20歳、種市篤暉。この名前、覚えておいて損はない。2019年、大きくブレークするかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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