イチロー“満塁弾”の宮古島、1、2軍隣接の宮崎など オリックスキャンプ地の歴史

沖縄・宮古島キャンプではイチローがランニング満塁本塁打を放つ

 宮古島がキャンプ地になって2年目、鈴木一朗はまだレギュラーではなかったが、キャンプでは見違えるような打撃を披露、この年に就任した仰木彬監督、新井宏昌コーチに注目され、2月21日に宮古島市民球場で行われた横浜とのオープン戦第1戦に「1番・中堅」で先発起用された。

 この試合で鈴木一朗は友利結(のちのデニー友利)から、ランニング満塁本塁打を打ち、周囲を驚かせた。仰木監督は鈴木を「一番・中堅」で起用することを決意、開幕直前には「イチロー」と登録名を変更させた。NPB、MLBの球史に残る史上最高の「安打製造機」は、宮古島で衝撃のデビューをしたといってもよいかもしれない。

 しかし、宮古島は沖縄本島からも遠く離れ、他球団との練習試合、オープン戦も難しい。2005年からオリックスは2軍の二次キャンプを高知市東部野球場に移行した。さらに、2015年には春季のメインキャンプ地を、宮崎市清武の宮崎市清武総合運動公園野球場に移転した。

 2015年は宮古島で2軍キャンプを行ったが、翌年には宮古島から完全に撤退。1軍、2軍ともに宮崎市での春季キャンプに一本化された。2015年9月には、メインのSOKKENスタジアムに隣接して第二野球場も建設され、2016年からは1、2軍が隣り合わせでキャンプを行うことが可能になった。

 宮崎市での春季キャンプの歴史は浅いが、ファンとの距離が近いこともあり多くのファンを集めている。「足湯」などの施設もあり、のんびりとキャンプ見物ができると好評だ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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