選抜出場校を大予想 中四国5校目は呉、創志学園? 21世紀枠の選考も大きく影響

第91回選抜高等学校野球大会の出場校は25日に決定する
第91回選抜高等学校野球大会の出場校は25日に決定する

北信越は星稜、啓新が確実、九州はベスト4有力も興南にも可能性あり

 第91回選抜高等学校野球大会(3月23日開幕)の出場校が25日、決定する。出場校を決める選考委員会は例年通り午前から始まり、15時に21世紀枠を発表。その後は北から順に発表されていく。そこで選考のポイントになりそうなところを私見も交えながら、21世紀枠と4つの地区別小委員会に分けて探り、出場校を予想してみたい。

 ここでは北信越・東海・九州地区小委員会と中国・四国小委員会を展望する。まずは北信越・東海・九州地区からだ。

 例年日程が重なり、使用球場数や移動距離を含め最もタイトなスケジュールになる北信越・東海・九州の各地区の選考委員。以前は大分で九州大会を視察した翌日に、静岡に移動して東海大会を視察するということもあった。どこの試合を誰が見ているのかというのもポイントの1つとなる。

 2枠の北信越は決勝に進出した星稜と啓新でほぼ間違いない、4枠の九州もベスト4組が有力だ。ただし、優勝した筑陽学園に準々決勝で延長13回タイブレークの末にサヨナラ負けした興南にも可能性はある。制度の導入時から懸念されていたことだが、タイブレークを引き分け扱いとして考えるか否か。考えるのであれば、準決勝で敗れた日章学園、大分と同じ土俵に乗れるだろう。

 決勝で点差が開いてしまった東海は選考委員の眼が最も重要視される地区の1つ。決勝で東邦に2-10で敗れた津田学園と、準決勝で同じ東邦に9-10で延長10回サヨナラ負けを喫した中京学院大中京の争いだ。得点差なら中京学院大中京。県1位校という状況もある。ただ、9回に5点差を一気に追いつかれ、延長で勝ち越したものの、裏に逆転サヨナラ負けをした“負け方”をどう見るか。一方の津田学園は決勝こそ大敗だったが、準決勝で中京大中京を13-2の5回コールドで破った。県3位校だが、逆に東海大会で3勝をしたという実績と、4番・前川夏輝(2年)の東海大会3試合連続本塁打をどう評価するか?

 続いて、中国・四国地区小委員会だ。

 両地区合わせて5枠で基本は中国2、四国2。3校目を比較して決める抱き合わせ地区でありながら、昨秋も両地区の日程がほぼ重なったのは悩ましい。例えば中国の準決勝を生で視察した選考委員は、同じ日の四国の準決勝を視察するのは物理的に不可能。中国地区と四国地区の両高野連が主催する大会のため、選抜大会の主催者は日程面には意見が言えないのが現状だが、以前に暦の関係で1週間、互いの日程がズレたときの選考委員長からは「日程がズレたのは、視察できるという部分で良かったと思います」とコメントしていた。秋季大会は選抜大会の予選ではないのだが、抱き合わせで5枠を続けるならば、両地区の日程が被るのは好ましくない。

 さて、基本枠の両地区2は決勝進出の2校ずつでまず間違いない。ポイントは両地区の3校目をどうするか。中国は呉と創志学園の争い。準決勝で延長13回タイブレークの末に5-6で敗れた呉が試合展開からは一歩リードしているように感じる。九州と同様、タイブレークになった時の選考の扱いをどうするかという部分でも興味深い。創志学園は8回にエース西純矢(2年)が自らのバント処理のミスなどから崩れ、投手戦から一気にコールドゲームになってしまった。

 私見だが、8回表までは秋季大会を取材した試合の中でベストゲームと言える内容だった。それだけに最後の決着はもったいない形だった。メンタル面はまだまだこれから成長する投手で、長澤宏行監督も「大らかに育てていきたい」と話していた。これからの成長を楽しみにしたい。四国は富岡西が21世紀枠で選出されるかどうかが全て。選出されれば、同じベスト4の高知商になるだろう。どちらになるかで、中国3校目との比較も変わってくる。また同じく21世紀枠候補の平田の存在も3校目の選出に影響する可能性がある。色んな形が考えられるため、ラスト1校は最も難しいと言える。

 選考委員会は午後3時から主催者のHPなどで出場校発表を生中継している。どのチームに平成最後の甲子園の便りが来るのか。注目したい。

(松倉雄太 / Yuta Matsukura)

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