諦めかけた夢を叶えるため… 元オリチアがNFLへ挑戦「私にはチアが生きがい」
一時は大阪府内の小学校に勤務も…「挑戦するのは今しかない」
さらに上のステップを目指すため、2年で東京のクラブチームを離れ、キッズチアのインストラクターを務めながら、オリックスやBリーグの滋賀レイクスターズなどで経験を積んだ。しかし、チアリーダーの収入だけでは、この先いつまでも続けていくのは難しいと判断し、引退を決断。教員免許を取得し、大阪府内の小学校に勤務した。だが、チアに対する未練を断ち切ることができず、昨年教員を辞め、NFLのチアリーダーにチャレンジすることを決めた。
「子どもが好きなので、仕事は楽しくやりがいがありました。でも、教員になってからもチアを諦めきれず、レッスンやワークショップに参加していました。そんな時、同い年の子たちがNFLのチアリーダーに合格し、数年越しで夢を叶えました。子どもたちと離れがたく、本当に迷いましたが、挑戦しない限りはこの思いをずっと引きずっていくんだと考えたら、挑戦するのは今しかないと思いました」
そして昨年、Xリーグのエレコム神戸ファイニーズ チアリーダーズのトライアウトを受け、合格。現役復帰した。今春のNFLオーディションのために、ダンスレッスンやジムでのトレーニング、英語の勉強など準備を進めている。難関のオーディションを突破しても、NFLのチアリーダーの報酬はほぼ無い。貯金を切り崩して生活していくしかない。さらに1年契約のため、ベテランになっても落とされることがある厳しい世界だ。それでも、続けられる限りは続けたいと藤田さんは話す。
「いろいろなジャンルのダンスを踊れて、お客さんと一体になって選手を応援できる。私にはチアが生きがいです」
一度は諦めた夢をかなえるため、異国の地で藤田さんの挑戦が始まる。