DeNA筒香が語る球界の未来 増える子供の怪我は「トーナメント制が弊害」
ドミニカ共和国は「指導者が答えを与えすぎず、決して無理をさせない指導」
「先ほども言いましたが、連投連投による投手の肘、肩の故障が小中学生でかなり増えています。慶友整形外科病院(?)の古島弘三先生のお話によると、侍ジャパンU12の代表の15人のうち10人が肘を怪我している、内側障害があるというデータが出ています」。侍ジャパンU12代表に入るような選手は、もちろんそれだけの力がある選手。先の例に照らし合わせると、チームの中心選手として負担がかかっているということだろう。
ドミニカ共和国のウインターリーグに参戦した経験を持つ筒香。現在、数多くのメジャーリーガーを輩出し、日本球界でも多くの助っ人が活躍している野球強豪国だが、筒香は「僕自身もウィンターリーグなどで訪れたドミニカ共和国で、古島先生が同様の検査をした結果、ドミニカ共和国の子どもたちは全然違う結果でした。僕自身、ドミニカ共和国を訪れて感じたのは、指導者が答えを与えすぎず、決して無理をさせない指導でした。もちろんドミニカ共和国が日本の素晴らしいところを学ばないといけない部分もありますが、日本もドミニカ共和国や他の国の素晴らしいところを学ばなければならないと思います」という。
勝利至上主義と、それに直結するトーナメント制の弊害。「将来がある子供たちを守るには一発勝負のトーナメント制をやめてリーグ制を導入にしたり、ルールで球数制限や練習時間を決めることが必要だと思っています」と筒香は語る。次回は、近年、高校野球でも導入に対しての是非、議論が起こっている球数制限について、筒香の語った考えを紹介していく。
(広尾晃 / Koh Hiroo)