西武ドラ1の155キロ右腕・松本航、新人王へ独白「直球で勝負できる投手に」
毎日欠かさない柔軟体操「今まで大きな怪我がない」が、意外な悩みも…
2年春には6勝を挙げ、最高殊勲選手と最優秀投手に輝いた。そして、3年時には侍ジャパン大学代表に選出され、プロを意識するようになった。
「日本代表に選んでもらえる実力があるんだなと自覚しました。それから、代表でチームメートだった齊藤さん(大将・現西武)、東さん(現DeNA)のピッチングを間近で見て、自分には何が足りないかを具体化して考えるようになりました。東さんは緊張した場面でも、コントロールが乱れない。自分には経験も足りないし、レベルアップが必要だと感じました」
威力のある直球に加え、カットボールやカーブなど多彩な変化球を操る。手先が器用なほうだというが、その分、調子が悪い時に小細工をして投げてしまう悪い癖があると自己分析をしている。
「野球を始めた時から、毎日欠かさず柔軟体操を行っています。母親には『怪我をしないようにストレッチだけはやりなさい』とよく言われました。最初は嫌だったのですが、今はやらないと気が済まないです。今まで大きな怪我がないのは、そのおかげだと思います。ただ、関節が柔らかいことで、普通の人より指が反ってしまうので、スライダーを投げると、投げた瞬間に大きく曲がってしまいます。なので、ストレートに少しだけ変化を加えて、カットボールを投げています」
変化球に磨きをかける一方で、プロでは自身のアピールポイントでもある直球で勝負していきたいと意気込む。そして、今シーズンの目標には新人王を掲げる。
「戦力としてチームに貢献できる投手になりたいです。一戦一戦大事に戦った結果で、新人王もついてくると思います。プロで通用するピッチャーになるためには、コントロールが大事だと思っています。球の精度を上げ、自分の武器でもあるストレートで勝負できるピッチャーになりたいです」
2018年のドラフトでは根尾昂内野手(現・中日)に4球団、藤原恭大外野手(現・ロッテ)に3球団、小園海斗内野手(現・広島)に4球団と、11球団が1位に高校生を指名。西武だけが大学生の松本を1位指名した。自分を必要としてくれるところで結果を残してきた22歳右腕は、悲願の日本一へ向け、チームの力になることを誓う。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)