「自分も決して負けていない」― “甲斐キャノン”に挑む鷹5年目捕手の思い
昨年の春季キャンプでは左肩の脱臼で離脱した栗原
ちょうど1年前の“悪夢”を振り払うような笑顔で、キャンプA班での走塁練習に励んでいたソフトバンクの栗原陵矢捕手の心中には並々ならぬ“覚悟”がある。
将来の正捕手候補として期待されながら迎えた昨年の春季キャンプ。A班で着実にアピールを続けていたが、キャンプ終盤の2月下旬にノックの球に飛び込んだ際に左肩を強打し、関節前方脱臼と診断された。3月上旬に手術を行い、約3週間の入院を余儀なくされた。球団からは全治6か月と発表されシーズンも絶望視されていたが、懸命なリハビリとトレーニングで7月上旬には復帰を果たした。
トレーナーやチームスタッフなど多くの人に支えられ、驚異的なスピードで復帰ができたことに感謝しつつも、だからこそ今年はやらないといけないという自負もある。
「今年はとにかく結果を求めないといけない年。昨年のケガで悔しい思いをしましたし、5年目って、もう若いとは言えない年代じゃないですか。今年はすべてにこだわりを持ってやっていきたいと思っています」。
オフはチームの先輩・和田毅投手が主催する自主トレに参加。1月に約3週間、長崎にいるトレーナーの施設を借りて、他球団の選手を含む6人でみっちり体作りを敢行した。長距離を走り、トレーニング施設にこもってトレーニングに没頭。近くにあるビックNスタジアムで体も動かす。じっくりと自分に向き合い、鍛錬に鍛錬を重ねた。