「自分も決して負けていない」― “甲斐キャノン”に挑む鷹5年目捕手の思い

日本シリーズで大活躍の甲斐に「自分も決して負けていない」

「ランニングはかなりやりました。トレーナーさんの指示のメニューで筋力トレーニングもやって、3週間くらいかなり追い込みました。チームに戻ってから色んな人に体が大きくなったと言われます」と手応えを感じている。自主トレ時は体が疲れてもウエイトトレーニングを増やしていたが、このキャンプでも継続。走るのは苦手ではないため、ランニングが増えた今季のキャンプメニューも「自分は走れるだけ走ります」と意欲的だ。

 昨年は日本シリーズでライバルの甲斐拓也捕手が大活躍。シリーズ新記録となる6連続盗塁阻止と強肩がクローズアップされ「甲斐キャノン」という言葉があちこちに飛び交った。チームの日本一は喜ばしいことだったが、自身の貢献度から見ると心底から喜べなかった。ライバルの台頭は栗原にとって刺激になっているのは間違いないが、それ以上にメラメラと燃えるものもある。

「自分も決して負けていないと思います。肩で勝とうと思えば難しいとは思いますが、他の部分では勝負できると。このキャンプはまずバッティング向上がテーマなので、今はかなり振り込んでいます。1日で計700スイングは(振っている)」

 今年は1年間1軍でプレーすることが最低条件。その上で最高のパフォーマンスをするための土台を作っているところだ。「30~50試合は出たいです。今年は何としてもやってやろうという気持ちが強いです」。強い眼差してそう決意を述べ、全体練習を終えた栗原は室内練習場のバッティング練習場へ消えていった。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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