部員4人から全国区を目指し…公立の室戸高女子硬式野球部の奮闘

室戸高校女子硬式野球部の活動の幅は広がっている【写真:大森雄貴】
室戸高校女子硬式野球部の活動の幅は広がっている【写真:大森雄貴】

高知県立室戸高校が同好会から2014年女子硬式野球をスタート

 今から12年前、第79回の選抜高校野球大会。室戸高校は初出場ながら、報徳学園(兵庫)、宇部商(山口)を破り、ベスト8まで勝ち上がった。学校の名前を聞いて、この時の快進撃を思い起すファンも多いだろう。

 室戸は野球熱が高く、勝ち上がってくたびに、街は盛り上がりを見せた。しかしその後は、顧問の異動などもあり、甲子園から遠ざかった。学校の生徒数は減少傾向。全国的な問題でもある少子化の波が押し寄せた。そのような状況の中、学校及び、市の活性化の願いもあり、2011年、同校は女子野球部設立の取り組みを始めた。

 2014年、部員はたった4人からのスタートだった。同好会を経て、翌年に創部。徐々に部員は増え始めた。今でこそ、女子硬式野球部のある高校は増えたが、創部当初は全国的に少なく、練習試合をするのも一苦労。県外の専門学校や大学生と試合をすることが続いた。

 ただ、地元のバックアップ、野球の環境が揃っているのは大きかった。

 室戸市中央公園グラウンド、室戸マリン球場、室戸高校グラウンドと、硬式野球ができる十分の広さのある場所を確保でき、室戸市の協力もあって、室戸市中央公園相撲場や、室戸マリン球場に隣接する室内練習場も使用することができる。

 また、女子野球部設立当時から、部を応援している高知県議会議員の弘田兼一氏を中心に、「めざせ全国優勝!『室戸高校女子硬式野球部強化プロジェクト』」と題したクラウドファンディングを開始。遠征費や施設面の整備の資金を集めるなど、予算が限られる公立高ならではの新しい取り組みも行っている。県外への練習試合のために使用する専用バス、選手たちが苦楽をともにする合宿所「いさな寮」など施設も充実しているのも、選手にとってはうれしい。

四国IL高知がサポート、元G駒田氏が特別顧問で指導

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