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「捕手がいい音で捕ってくれるうちはダメ」―西武今井が「特別な投手」である理由

ボールが指先から離れ、しゅーっと音を立てて捕手のミットに吸い込まれる。ばちんと大きな音が鳴り響く。それを聞いて、西武・今井達也は首をひねった。

直球への強いこだわりを持ち続け西武・今井達也は3年目の飛躍を目指す【写真:荒川祐史】
直球への強いこだわりを持ち続け西武・今井達也は3年目の飛躍を目指す【写真:荒川祐史】

「岸がスマートでしなやかな球を投げるとすれば、今井はスマートだけど剛腕」

 ブルペンでは、もう一つ心掛けていることがある。それはキャッチャーミットの芯からボール1個分上にずらしたポイントに浮き上がるようなストレートを投げることだ。だから、「キャッチャーがいい音で捕れるときはダメ」だと言う。

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「きれいな音で捕れるということは、軌道が分かりきっていて、芯で捕れているということ。(キャッチャーとの)慣れももちろんありますが、キャッチャーがいい音で捕ってくれるうちはダメなんです」

 今井のボールをプロ入りから何度か捕球してきた上本ブルペン捕手は「初めはなかなか捕れなかった」と振り返る。

「イメージを付けて『この辺りだろう』と思うところに構えるけど差し込まれる。そういう球を投げるやつはいない。彼は特別な投手なんですよ。岸がスマートでしなやかな球を投げるとすれば、今井はスマートだけど剛腕。強さを感じます」

 直球への強いこだわりを持ち続け、常に試行錯誤してきた。今シーズンはエース菊池雄星のメジャー移籍もあり、チームにとって先発ローテの再編は急務だ。昨年5勝を挙げた今井にかかる期待もこれまで以上に大きくなっているが、決して浮かれることはない。「自分は結果を求められる。まずは自分のことを」と目の前を見据える。いつかエースと呼ばれるその日まで、にぎやかなブルペンでかすかに聞こえる進化の音を聞き逃さないようにしたい。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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