正岡子規に「野球拳」の発祥…野球王国・愛媛が仕掛ける野球ファン拡大への施策

地元出身の岩村明憲氏やタレント稲村亜美らも参加

 9月には、野球漫画だけを集めた喫茶「野球漫画喫茶“どっきり!ホームラン”」を開催。南海放送本社喫茶に「ドカベン」「巨人の星」など完結作品はもちろん、「ダイヤのA」や愛媛県にもゆかりのある「江川と西本」など幅広い作品が450冊並んだ。1か月で来場者は1325人を数える盛り上がりを見せた。その後、マンガは、7月に起きた西日本豪雨で大きな被害を受けた地域を中心に「野球漫画被災地巡回展」と題し、西予市民図書館野村分館や宇和島市立吉田公民館などに設置され、被災者に提供された。

 9月16日には、コナミの「実況パワフルプロ野球」を題材とした「第2回えひめe-baseball大会」も開催され、愛媛・宇和島東高出身でヤクルト、米大リーグ・レイズなどで活躍した岩村明憲氏ら、愛媛にゆかりのある元プロ野球選手が解説を務めたほか、多くのファンが来場した。同日に行われた約60000人訪れる「2018 大神輿総連練」では、愛媛県知事中村時広氏と岩村明憲氏、佐野慈紀氏を交えたトークショー、さらには子供たちが楽しめるよう“野球体験コーナー”が設けられた。

 9月29日にも、動画サービス「ニコニコ動画」とコラボし、「ニコニコ町会議 全国ツアー2018」を開催。ひめぎんホールには約4500人の来場者、ニコ生では7万人が視聴し、ステージ企画や愛媛野球史パネル展など大いに楽しませた。

 その後も、11月24、25日に開催された「えひめ・まつやま産業まつり すごいもの博2018」に合わせ、「愛・野球博 の・ボールパーク with すごいもの博」を同時開催。四国アイランドリーグの愛媛マンダリンパイレーツ所属選手の協力の下、世界野球・ソフトボール連盟が推奨する5人制野球の体験コーナーを設け、24日にはゲストの稲村亜美さんが解説を務めた。また、ヤクルトのマスコットキャラクター・つば九郎と日本ハムのマスコットキャラクター・フレップのステージショーや記念撮影など、多くの来場者で賑わった。

 本格始動した7月から、怒涛のように野球イベントを開催し続ける「愛・野球博」。予定では、2020年まで事業を続けていく。

 野球の祖が眠る愛媛は、従来の「する」“野球”にとらわれず新たなチャレンジを続けている。「野球の聖地」に向け、邁進する愛媛の動向をぜひ、注目してほしい。

(大森雄貴 / Yuki Omori)

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