新生マリナーズを支える言葉の力 スローガンに「改善」を選んだ指揮官の思い
読書家サービス監督が愛読書から引用した言葉
選手の顔ぶれが大幅に変わった今季のマリナーズ。チームのスローガンは、3月に控えた日本開催試合もあり、日本語で「改善」と打ち出されている。「日本に行く機会もあり、いろんな考え方を学ぶ良い機会だ。今の我々には必要なことでもある」と、選んだ理由を説明したスコット・サービス監督がさらに掘り下げたのは、野手組のキャンプインを翌日に控えた2月15日のことだった。
「より良い方向に邁進して行くためには変化が必要。プロセスが大事であり、日々の過程に集中することが望むような結果を生む」
オフにカノ、ディアス、パクストンら昨季の躍進を支えた主力選手をトレードで放出。また昨季37本塁打のクルーズがFAでツインズに移籍するなど、チームは若手主体となり、まさに転換期を迎えている。この状況にサービス監督は、日本企業の躍進を支えたコンサルタント今井正明氏の名著の英訳版『KAIZEN』の数章からヒントを得たことも明かした。
サービス監督は読書家である。
聞けば、あらゆるスポーツのコーチング本や自己啓発本など、向上心をかきたてられる本が好みで、日本企業が国際競争で成功した経営ノウハウを日本的な概念で捉えた分厚い『KAIZEN』の読破を目指しているという。監督室にある机の上には、しっかり『KAIZEN』が置かれている。