「去年より遥かにいい」鷹・工藤監督が千賀滉大に開幕投手を託したワケ
「練習している姿、投げている姿も、僕の目から見ても去年より遥かにいい」
今季、3年連続の日本一を目指す王者ソフトバンク。昨季は日本シリーズを制したとはいえ、パ・リーグ2位からの“下克上”ということで、多少なりとも悔しさが残ったのも事実だ。「奪Sh!」のスローガンを今季は掲げ、昨季の悔しさを晴らす1年にする腹づもりでいる。
その2019年シーズン。工藤公康監督は、3月29日・西武戦の開幕投手に千賀滉大投手を指名した。24日夜に宿舎の自室に千賀を呼び、開幕投手を通達。キャンプ最終日となった25日に報道陣の前で、開幕投手を千賀に託したことを明らかにした。
「1年間しっかりローテを守って、チームを引っ張ってほしいという思いを伝えました。持っているもの、力もチームで1番のものを持っている。お前に託すと伝えました」
こう語った工藤監督。就任5年目の今季、春季キャンプを過ごしながらも、なかなか開幕投手を決定しなかった。投手としての力はもちろん、取り組む姿勢や自覚、言動や行動など様々な面に目を配り、相応しいと思う投手を選んできた。そして導き出した決断は、2年連続で「千賀」だった。
最終的に決断したのは「昨日(24日)です」という。「調整もしっかりやっていたし、自主トレから自覚を持ってやっていたのも聞いていた。仕上がりも良かった。試合を見てというのもあったんですけどね。悩んだというか、考えはしましたね」。予定されていたオリックスとのオープン戦は雨のため中止となったが、その夜に通達した。
キャンプを通じて見えた千賀の姿を評価した。オフから自覚と責任感が滲む言葉を発してきた千賀。指揮官も「しっかりやらないといけないという自覚は見えました。練習している姿、投げている姿も、僕の目から見ても去年より遥かにいい」と感じたという。
指揮官が千賀に求めるところはどこか。「柱としてローテを守って、シーズンを最後まで投げ切ってもらいたい。27歳、9年目になりますし、引っ張っていくという強い気持ちでやってもらいたいという話はしました」。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)