【田中浩康の目】「スケールの大きさを感じる」―2年目外野手、ヤクルト塩見の魅力とは?

1軍定着していくために減らしていきたい小さなミス

 結果を積み重ねていってほしいという思いがある一方で、気をつけてもらいたい点もある。

「初回の右翼の守備でミスをし、打者走者の進塁を許してしまいました。キャンプで基本練習を繰り返してきたでしょうから、基本的なミスをしてしまうと、自分から流れを手放すようなことにつながりかねません。細かなプレーも大事に積みかさねてほしいですね。ただ、この日の左中間への二塁打はそれを取り返すだけの打席になったと言っていいと思います。今季の活躍につなげていってほしいと思います」

 ヤクルトは左翼・バレンティン、中堅・青木、右翼・雄平と外野のレギュラーの層は厚い。塩見はこのメンバーに挑戦をしていかないといけない。自身も「(レギュラーを)奪い取っていかないといけない」と強い意志を見せている。まず、やらなくてはいけないことは何だろうか。

「まずは7試合連続でヒットを打っているようにアピールすること、貪欲な姿勢で試合に臨むことです。外野陣はメンバーがそろっていますが、レギュラーの選手にアクシデントがあった時、真っ先に塩見の名前が出てくるような状況にしておかないといけません。塩見選手自身がそういう情報を作っておくことが大切です」

 チームには良き手本がいる。

「青木さんがいることで、若手はベテランの姿を見ているので、意識は高まっているはずです。西浦選手、村上選手も自主トレが一緒で、寝食を共にし、時間の使い方を青木さんから学んできたはずです。宮本ヘッドコーチも若手に厳しく接しています。それは若手に出てきてほしいという愛情だと思います。チームとしても若い選手が出てきてほしい。若手選手は今、たくさん与えられているチャンスで、貪欲に結果を求めていってほしいと思います」

プロフィール
田中浩康(たなか・ひろやす) 1982年5月24日生。36歳。尽誠学園(香川)から早大を経て、05年にドラフト自由枠でヤクルト入団。粘り強い打撃と堅実な守備で活躍した。16年オフに戦力外通告を受けてDeNAに入団。二塁手でベストナイン2回、ゴールデングラブ賞に1回。通算302犠打は歴代5位。noteで有料マガジン「セカンド・ライフ」を執筆中。

Twitterアカウントは@hiroyasu0524

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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