開幕1軍入り目指す西武・伊藤翔 見失っていた姿を思い出させた一言「去年を思い出せ」
2日の広島戦で3失点も、6日のソフトバンク戦で無失点
「結果を気にせず、打たれても打たれなくても、自分の投球をしよう」。ブルペンから飛び出し、敵地ヤフオクドームのマウンドに向かった西武の伊藤翔投手は、胸にそう決めていた。
3月2日に行われた広島とのオープン戦(佐賀)では、1回を投げて4安打の集中打を食らい3失点。特に2死から与えた四球が失点のきっかけとなった。小野和義投手コーチはその日の伊藤の投球について「彼の投げっぷりのよさを買っていたんだけど。本当に全力を出したのか? それを感じなかった。技術よりも、若さというところが出てしまったかな」と、苦笑いを浮かべていた。
伊藤の頭に不安がちらついた。「ラストチャンスだと思った。今日ダメだったら…」。6日のソフトバンク戦。3番手で登板すると、いきなり先頭打者に二塁打を浴びたが、「逆に目が覚めた」。後続を断ち切り、最後の打者を宝刀スライダーで空振り三振に仕留め無失点でマウンドを降りた。
「自分では腕を振っているつもりだったんです」。2日の広島戦の投球について、伊藤はこう振り返る。その試合の後にも、小野投手コーチにこう声をかけられた、
「去年を思い出せ」