支配下昇格待ったなし? アピール続く鷹の育成・川原に工藤監督「考えなきゃ」
オープン戦2度目の登板となった6日の西武戦でも3者凡退の好投
ソフトバンクの育成選手である川原弘之投手が、また好投し、支配下復帰と開幕1軍入りへアピールに成功した。6日にヤフオクドームで行われた西武とのオープン戦。7回に登板した育成左腕は、強力な西武打線を3者凡退に斬って好投した。
先頭で迎えた途中出場の中田に対しての初球、いきなり151キロをマーク。2球目には152キロを記録して、3球目の149キロで遊飛に。続く栗山はフルカウントから152キロで三ゴロ、最後は中村をスライダーで見逃し三振に仕留めた。捕手の構えと違う“逆球”も数多くあったが、ボールの力でねじ伏せた。
「結果的に3人で終われたので良かったです。これを続けていければいいかなと。栗山さんや中村さんを抑えられた。自信になるかは分からないですけど、良かったなと思います」。試合終了後に、ウェートトレーニングで汗を流していたという川原は、この日の投球をこう振り返った。
27日の西武との練習試合、2日の阪神とのオープン戦に続く好投。続く猛アピールに工藤公康監督は「しっかり考えなきゃいけないなと思っています。支配下イコール開幕1軍だと考えている」とコメント。ここまでの投球内容を考えれば、4年ぶりの支配下復帰は、ほぼ手中に収めていると言えるだろう。
それどころか、現在のソフトバンクのチーム状況を考えれば、勝ちパターンの一角、セットアッパーの座を担ってもおかしくはない。昨季のセットアッパー加治屋は右肩のコンディション不良で出遅れ。右肘手術から復帰を目指す岩嵜も回復が遅れており、股関節手術を受けたサファテの状態も不透明。肉離れで出遅れた石川も復帰を目指している最中と、現時点で順調に調整が進んでいるのは、昨季のセーブ王の森だけ。ドラフト1位の甲斐野と共に、川原がその座に就いても、おかしくない。
2009年のドラフト2位でプロ入りし、3年目の2012年には最速158キロを記録した。その後は左肩、左肘の故障に悩まされ、2015年オフには育成契約へと変更となった。今季で育成4年目、プロ生活10年目。巡ってきた好機を逃すわけにはいかない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)