憧れのイチローと約12分間“合同アップ” 菊池雄星が過ごす「特別な時間」

実現したイチローとの異例の“合同アップ“「適切な形容詞が出てこないんですけど…」

 オープン戦初登板のレッズ戦でストライク率65.5%、2戦目のロイヤルズ戦では79.5%、そして7日(同8日)のレッズ戦では66.7%と安定する菊池。ボールの縫い目の違いからくる違和感にも苦しんできたが、それもうすれてきた様子。「日本の皆さんに頑張ってる姿、成長する姿を見せたいなと思います」。菊池は21日に向けて意欲を高める。

 一つの念願をかなえた菊池に、予期せぬ至福のひと時が待っていた。

 キャンプも終盤に差し掛かり、マイナー行きを通達された選手も出て、日増しに人数が絞られている。この日は敵地でのオープン戦だったため、メンバーに入らなかった居残り組が調整。野手はイチロー他4、5人だった。ブルペン入りを前にアップを初めていた菊池のそばにイチローがなにげに近寄り、約12分間の“合同アップ”が実現した。イチローが話をしながらメニューを行うのは異例中の異例。調整法について時折、イチローが答える声が漏れてくる。

「あんまり適切な形容詞が出てこないんですけど、いつも、すごく特別な時間ですね」

 少年時代からの憧れの存在を真横に、ともに流した汗。筆舌に尽くしがたいのは当然だった。

 日本開催試合の特別28人枠入りすることが濃厚なイチローと菊池の“日本共演”は実現するのか――。

 確かなのは、2人の準備が着々と整いつつあるということ。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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